4 師匠の登場
放課後をつげるチャイムが鳴る。
クラスメイトは部活に行ったため教室にいる者は俺しかいない。俺の所属する生物科学部は今日は活動がないのでもう家に帰れるのだが、輝葉に教室にいてくれと言われたためラノベを読みながら待っているところだった。
輝葉を待つこと十数分、扉が開く音がして闇夜がそちらに顔を向けるとそこには輝葉と一人の女の子がいた。
「待たせてすまない闇夜。彼女は三日月師音さん。これから僕に女の子になるために必要な事を教えてくれることになったんだ。」
「よろしく。」
そう言って軽く頭を下げる。
黒髪のロングで無気力そうな目、輝葉ほどではないが整った顔をしている。
「あ、あぁよろしく。」
この子に手伝ってもらうのか?よくOKもらえたな。
「な、なぁ輝葉、なんで三日月・・・さん?「三日月でいい」わ、わかった。三日月なんだ?三日月は別のクラスだし、こういうのに興味なさそうなんだが・・・」
「彼女から声をかけてくれたんだ。女の子のことおしえてあげようか?ってね。」
うっそだろおい。っていうか、輝葉の宣言ほかのクラスにもひろまってるのか。
思わず俺は三日月のほうを向くが、本人は真顔のままである。
「なんで手伝おうと思ったんだ?三日月」
「面白そうだったから。」
それだけか~~~~~~
うーむ、またボケが増えてしまった・・・
「よろしくお願いするよ、師匠!」
「うん」
師匠なのか、三日月は。そして三日月も結構ノリノリだなぁ。
花を飛ばしながら話す2人を見ながらため息をつく。
もうすでにツッコミを諦めている自分がいる。でも仕方ないだろ、ここまで来たらもうマジで止められない。俺は輝葉が満足するまで付き合うしかないようだ。
とりあえず、今後のために胃薬を用意しておこうと、決意したのだった。