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プロローグ
『俺、今からあいつに告るわ』
知っている。
『お前も来い』
今、隣で歩いてる人がの思い人が俺ではないことを。
知っている。
あいつの思い人が、今隣で歩いている人ということを。
俺はいつだって前にいた。
何度だって手を引いた。
頑張った、努力した、調べた、実践した。
何度だって気を引こうとした。
だが、いつだって俺は一歩引いた。
好きだって知っていた。
思いあっているのはずっとわかっていた。
わかっていた。
叶わない。
適わない。
だから、勇気を出して無謀なことをしよう。
そして背中を押そう。
やり方は酷いが、たきつけるにはいい方法だ。
「ずっと好きだった」
勇気を出した。
「……なんてな!驚いたか?」
そしてその勇気をあげよう。
そろそろあいつがやってくる。
今だって手が震えてる。
涙を堪えている。
とても――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――幸せな気分だ。