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 黒い目覚め~四、破壊人格


 世界という言葉の意味は曖昧で確定されていない。各地の国を総称して世界と呼ぶ場合もある。個人の趣味の内容を世界と呼ぶ場合もある。簡単に言えば、その人の中での価値や存在が当てはまる場所の事を世界と呼ぶのだと思う。だとしたら、なるほど。ここはまさしくアヤの世界で、内なる世界と書いて内界と呼ぶのも理解できる。


心の中の世界。精神や想いで出来た世界。アヤの中の内界で、私は長い間ずっとチャンスを待っている。


この体の本体であるアヤは、鍵をかけた内界の部屋の隅で座り、黙って床を見つめている。呼吸をし、瞬きをしている。それだけだ。


私が見ている事もアヤは知っているはずなのに、私に助けを求めようともない。


いつも不思議に思う。そんなに無関心なら終わりにすればいい。終わりとは解放でもある。存在すら必要ではなくなる。私に頼めばすぐに実行するのに。


ホタルは起きたのだろうか。私と対極の役割を持った人格を思い出す。ユキに全てを任せて、安心しきって眠っている能天気な保護人格。意識すればお互いの存在を感知する事くらいはできる。


くすくす、一人で笑ってしまう。


いつまで、みんなは耐えられるのか。それを思うと、つい笑みが生まれてしまう。どんな事があっても必ず私がアヤを終わらせてあげないといけない。


アヤを見つめる。アヤは動かない。役割だと主張するように止まっている。


孤独を止めてあげたい。その為には心臓を止めても構わない。私は破壊人格。終わりでアヤを救う人格だ。



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