そもそもの始まり
浮気性な麗羅による、アイドルネタです。
アイドルや声優についての捏造が多数出てくると思います。可笑しな所があれば、連絡下さい。
『だー、かー、らーっ!!
嫌って言ってるじゃないですかぁ!!
いくら社長の頼みとは言え、"僕"のラジオに、アイドルなんて入れませんからねっ!!』
皆様はじめまして、"僕"は空野 翼。性別不詳系声優やってます。本名は柊 翼。ま、"僕"て言ってるけど、列記とした女の子です。
「そこを何とか、頼むっ!!相手は基本、同い年だろっ!?」
社長は、鈴村 健哉と言う先輩声優でもある。わが社INOVATERの為にも!!と引いてくれそうにない。今現在の電話の内容は、"僕"がメインパーソを勤めている看板番組(って言っていいのかなぁ……?)"空の向こうへ"に、超大手アイドル事務所、ファンタズマのアイドル"MiRaCLe"を呼べと言われてるんだ。
だけど、"僕"は社長相手に全面戦争をしている。"僕"のこのラジオは、声優の、声優による、リスナーさんの為の番組だ。アイドルなんて、1ミクロンも出ないし。
『絶対イ・ヤ・だっ!!』
「…………最終手段だ。社長命令。ヤレっ!!」
……………社長、ここに来て権力使うとか…。狡くない?
なら、ゴネてもいい、よね?どうしても避けられないなら、期間を伸ばしてやるのだ。
『……条件がある』
「…聞こうか。
つか、何故にイケボなんだよ」
含み笑いで尋ねてきてるけど(こちらもあえてのイケボである)、乗ってる段階でアウトだと思う。
因みに、社長のノリの良さも含めて、おふざけです。特に意味のないやり取りだ。
『…私が"MiRaCLe"と同じ学校に通ってるのは知ってるでしょ?』
「ああ。つーか、お前の所の学園長に嘆かれたぞ?なにやってんだよ」
社長と学園長は、大学の同期なんだって。いまだに交流が続くって凄いと思わない?
ま、嘆きの内容は、私="僕"とばらしてないから公欠にしにくい、ってことに決まっている。だって、社長に話す内容だしさ?
『だって、性別不詳系で声優やってるのに、学園でバラしたらおしまいデショ?』
私だってバカじゃない。
その位考えてるし、理由の無い我儘は言うつもりはない。(今回だって、引き延ばしにかかっているのは、ラジオの内容を綿密に作っておきたいからだ。声優相手のコーナーしかないからさ。正当な理由でしょ?)
「まぁ、そうだわな…。んで?」『"僕"を学園で見つけられたらOK出してもいいよ?』
見つけられないとは思うけど、と楽しそうに言えば、社長は溜め息を吐いた。
「見つけられるつもり無いだろ…」
『うん。ラジオの内容決めるまでの時間稼ぎのつもり』
そう言えば、社長も納得した様子。理解が早くて助かる。だが、やはり気になるのは気になるようだ。
「因みに、見つかったら?」
『笑って誤魔化してみる?』
「そうか……って!駄目だろっ!!」
うん。ナイス突っ込み。ノリ突っ込みとはレベルの高い。
『解ってますぅ。
時期によるかな。"空むこ"だって、先五週くらいゲストさん決まってるし。打ち合わせまでに仕上げる、かな』
私の一言に本気を悟り、社長は「困ったら頼れよ?」と言ってきた。
『いっつも頼ってるよ?』と返せば、照れたように「もっと頼れよ」と言って電話を切った社長。
さて、仕事にいきますか。"僕"は台本の入った鞄を拾い上げ、キャップを深々と被って家を出た。