素人作家の夢
「早くライターになりたい。」
ため息混じりに俺はそう呟く。
「あれ?作家じゃないのか?」
後ろから声がする…
「いたのかよ。ビックリするだろ。」
そう振り向くと、まぁまぁ顔の整った美少女が首を傾げていた。突然のキャラ登場というのはやはり慣れないものだ。
「ごめんごめん。」
美少女は微笑混じりに謝った。さて質問に答えてやろう。
「ふふ…オレっ娘。作家とライターは違うぞ。」
「なに言ってんだ?お前、頭痛いぞ。」
オレっ娘は、片手を俺のデコに当てる。そこまで心配される発言だったのか?だがオレっ娘よ…
「いつも『オレはお前でお前はオレだ!』って言ってるオレっ娘よりは痛くない。」
そう。こいつ曰く、こいつは俺の中のオレらしいのだ。それよりはまだマシな発言なハズだ。
「オレ、今回は言ってないぞ!」
あれ?
「そうだったか?まぁいい。作家は確かに英語でwriterだ。でも日本語のライターとは違う。」
「そうなのか。」
「日本語でライターとは火を付ける者の事だ。」
「それマッチの代用品の事じゃないのか?」
「そう。そこから転じてライターとは、人々の心に火を付ける程の物書きを表すようになったんだ。」
「誰が考えたんだ?」
「俺…」
背中から汗が活発に出ているのは、きっと気のせいだ。
「ナルシストも大概にしておけよ。」
グサッ!
「俺の中のオレに言われたくない。」
「オレは確かにお前だけどよ…」
「諦めろ。俺も俺の中にオレっ娘が居ることを考えるのは諦めた。」
「おぉ。主人公の適応能力ってヤツだ。」
「それは困る。主人公なんて少年マンガとラノベだけで十分だ。」
「そうか?ま、頑張れよ。将来のライターさん。」
「あぁ。成れるといいな。」
そしてオレっ娘は、瞬きする間に消えていた。
こんにちは。(こんばんは。)
変上 狂未と申します。
今回は「文学」というジャンル設定をしました。
そもそもジャンルにこだわって書いていないので「素人作家の…」シリーズも様々なジャンルがある訳です。今回はどの辺が文学かと申しますと「言語の学問」…という辺りです。大目に見てください。文学って何だか良く分かりません。(素人作家としてどうなんだ?!自分!orz)
それでは、みなさん良い一日を。