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「風」

作者: 高梨怜奈




あなたとお別れをして、どれだけの時間が経っただろう。

つい最近だったような。

ずっと前のことだったような。


ふわふわと地に足がつかないような日々が続いている。


後悔をしていないとは言えないけれど、これで良かったのだと思っている。






ただただ単調な毎日を繰り返していた私に、

愛しいという気持ちと安らぎを与えてくれたのはあなたでした。


決して楽しいことばかりではなかったけれど、

あなたがくれたものは確かに今も私の胸の中で息づいています。






部屋に閉じこもって、閉じたままの窓を見つめていた私に、

外の世界を教えてくれた。


じっとしているだけじゃ何にも得られないと、

教えてくれた。


臆病な私は、やっとの思いで窓を開けて外を眺めることしかできなかったけれど、

その一歩は、私にとってどれほど大きなことだっただろう。






あともう少し、

勇気を出して外へ足を踏み出すことができたなら、

あなたの隣を今も一緒に歩いていたのかな。


勇気を出せなくて、ごめんね。






遠い未来を見据えながら、

一緒に行こうと繋いでくれた手を離してしまったのは私。


あなたの足枷にはなりたくなかったから。






軽く、高く、自由気ままに駆けていくあなたは、風のような人でした。




ごめんね。

そしてありがとう。






今度は私が誰かの風になりたいと思う。


あなたがくれたものを、私も誰かに分けてあげられたらいいなぁ。


いつかは私も、外の世界へ踏み出せるかな。


きっとできるよね。


だって、あなたと出会って私は変われたのだから。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

別れはとても悲しいもの。

その裏に秘められた気持ちや理由が

必ずあるから殊更そう感じます。

けれど、それも決して無駄じゃない。

苦く辛い別れの中にも、

自分のプラスになることが絶対あると思うのです。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

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