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蔵のそば
夫婦が多かった。皆仲がよさそうで寄り添い合っている。
男はその中の二羽に話しかけた。
「仲良いね、羨ましいよ。」
雌鳥は、必死に水に浮いた細かな餌をついばんでいた。雄鳥は男の方を気にして目を合わせていた。
「君はいないのかい?」
雄鳥は訊いてきた。男は少しだけ肩をすくめた。
「君みたいに凄くはないよ。おしゃれなわけでもないし、勇敢じゃない。」
雄鳥は雌鳥について行き、何か言いたそうに去っていった。男は浅い川に視線を流した。
小さな雌鳥は、蔵の屋根に止まった。番の鳥たちは、邪見にするようにその鳥から離れていった。やがて、屋根の上には一羽だけになった。
雌鳥は川を隔てて男を見つめていた。
「あなたもさみしいの?」
男は笑った。
「そうみたいだね」
その雌鳥は、やけにぼさぼさで、酷く細かった。
その男は、やけに細くて、ひとりぼっちだった。




