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団子虫
男はあぜ道を歩いていた。
幼い頃に泥鰌取りをした用水路を眺めて歩いた。やがて、おかあさんと一緒に歩いて来る子供たちを見ていた。時折少年は足元を見ながらしゃがむ。
身体を丸めていた。やけに温かい地上が揺れだしたのだ。目が回るほどに振り回される。嫌になる。気持ちが悪そうだった。身体を真っすぐにして起き上がろうとした。
でも、鼻水の垂れた少年は彼を地面に落として踏みつぶした。
男はその少年に訊いた。
「ねえ、きみなんでそんなことするの?」
少年は、鼻水を腕で拭い、それから男の服にその粘液を付けた。
「あ、こら!」
少年のお母さんらしき人が鼻水の少年を掴んで、去っていった。
男は粉々になった亡骸を、手でつまみ、道端に避けた。男はしかめ面をしながら家へ帰った。
「ねぇ、父さん。あいつ、殺す必要あるのかな?」
男は庭仕事している父に問いかける。男の父は枯草を集めながら答えた。
「あいつらは、多すぎるからね。」
父は彼らの集まった枯草を塵取りにかき集めながら、ピンクのゴミ袋に彼らを捨てる。
父はそう言いながら、庭の植物に水を与え始めた。




