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 蒼白い空に羽ばたきもしない鳩が二羽いた。鳩は田畑を歩いていた。乾いた空気の中で忙しなく地面にある食べ物をついばんでいた。

一方の鳩がもう片方に言った。

「なあなあ、もっといい食べ物はないのかい?」

二羽は向き合い、何か言い合うように鳴き始めた。

「ある訳ないだろう、今は冬なんだぞ、寒いんだ。こんなところでもなきゃ落ちてねえんだよ。」

そう言ってまた地面に向き合う。

 そして、片方の鳩が餌を見つけると、一方の鳩はそこに飛んできて、一緒についばんだ。見つけたはずの片方の鳩は、その餌場を一方に譲った。

そして片方の鳩はまた餌を見つけた。そこにまた一方の鳩が来る。しびれを切らしたように、翼で片方の鳩が一方の鳩を叩いた。

「お前、横取りするなよ」

「だって…見つからないんだもん…」

渋った片方の鳩は、少しずつ遠くへ歩いて行った。

男はその鳩があまりにも細いことに気が付いた。もう片方とは違い、一回り小さいのだ。若干羽もぼさぼさで、みすぼらしい鳩だった。


 やがて二羽の鳩は、離れて田畑をつつき、落ちている物を食べていた。

細い鳩が、急に飛び跳ねて、いた場所から距離を取った。目線はいた場所より少し奥を見ていた。

鳩は言った。

「なあなあ、あの細長い奴は何だい?」

見向きもしないで片方の鳩が言った。

「知らねえさ。食ってみればわかる。食ってみろ」

その言葉を信じて、一方の鳩がその細長いものに近付いた。

 男は目を見張った。鳩が自分から蛇に向かうとは思わなかったからだ。


「なあなあ、あんたなんて言うんだ?ちょっとついばんでもいいかい?」

細い鳩は首を傾げて蛇に訊いた。蛇は首を持ち上げて、

「いいとも、こっちに来てみてつついてみなよ」

と言った。

 蛇は近付いてきた細い鳩の周りをぐるっと囲むように体を丸めた。鳩は恥ずかしそうに言った。

「なんだい?抱きしめてくれるのかい?」

蛇は、少し止まって、身体を横に揺らした。蛇は舌を覗かせて黒い目で鳩を見つめた。


 蛇は、何も答えず鳩を抱きしめた。いや、締め付けた。

男はそれを見ていた。腕に提げた鶏のモモ肉を見つめた。迷わず蛇に向かって歩みを進めた。

蛇の頭を掴んで、指にぐっと力を加える。顎が開いて、鳩を離した、鳩は既に動けないようだった。

 男は蛇の顎にモモ肉を与えて、優しく地面に下した。

男は鳩を掌に載せた、血で汚れていた。羽毛に指が埋まって、肉がないことがすぐに分かった。

男は鳩に訊いた。

「痛いか?」

と。

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