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第四部隊



ことは VS 東雲幻矢しののめ・げんや


黒煙の立ちこめる森の中、崖を背に立つ女が一人。


ことは「東雲――っ!!」


怒りに震える声が、空に突き抜ける。

目の前には、崖の上から少女を射抜いた男――第四部隊の狙撃手、東雲幻矢。


ことは「なぜ……あんな子供に矢を放った!!」


東雲「……逃げ出したからね」


ことは「それだけ? たったそれだけで……命を?」


東雲は肩をすくめるように笑う。


東雲「君たちもかつて同じことをしていたじゃないか。“リツ”の失敗作を殺したように」


ことは「黙れ!私は……私はそんな理由で殺しはしない!!」


東雲「ふーん……でもさ。もう、会話なんて無駄でしょ?」


ことはの拳が震えた。

その拳から、熱が走る。


東雲「――始めようか」


ことは「……来なさい!」


二人の気が、一瞬で爆発する。


東雲「能力解放・幻式千裂弓げんしき・せんれつきゅう!」

ことは「能力解放・紅雷撃掌こうらいげきしょう!」


無数の矢が、光のような速度で飛ぶ。

だが――ことはの拳が、それらすべてを雷の拳風で叩き落とした!


ことは「……見えてるんだよ。あんたの全部が!」


拳が――一閃。


ことは「奥義・雷爆裂掌――!!」


ゴッ!!!


雷鳴が轟くような打撃が、東雲の胸を抉った。


東雲「が……はっ」


東雲は血を吐き、崖の上から倒れた。


ことは「……終わりよ。あなたの矢も、信念も」



影丸 VS 不破ばしん


村の中心、地を抉り、空が割れるような戦場。


二人の拳は、何度も、何度も激突を繰り返していた。


不破「……しぶといな、影丸」


影丸「お前こそ……限界なんじゃねぇのか?」


不破「……ハッ、そろそろ決着をつけようぜ」


影丸「――ああ。俺も同じ気分だ」


二人が、同時に拳を構える。


不破「奥義・破滅式・超粉砕爆拳!!」

影丸「奥義・影式・無音殺音掌!!」


一瞬――

爆風と同時に、全ての“音”が消えた。


影丸が、拳を見切った――

その腕が、不破の拳の軌道を逸らす!


影丸「――見えてるぜ。次の呼吸まで!」


そして、影丸の拳が、不破の顔面を正確に撃ち抜いた!


ドガァッ!!


不破「くっ……がはっ」


ゴスンッ。


不破ばしんは、地面に沈み、動かなくなった。


影丸「やっと……終わったか」


影丸は大きく息を吐く。


「他のみんなは――無事か……?」



美香 VS 黒鉄鉄也


残された最後の戦い。


鋼鉄の男、黒鉄鉄也と、少女・美香の肉体と気力のぶつかり合い。


黒鉄「シンプルな勝負だ。ガードして、殴り合うだけ……だが、それが最強だ!」


美香「わかった……戦ってわかったの。私の力って、気持ちが強くなるほど、どんどん強くなるんだ!」


黒鉄「なんだよそれ、チートかよ! これが“完全体”ってやつか!?」


――激突!


黒鉄「必殺・鉄壊突撃てっかいとつげき!」

美香「必殺・陽華撃掌ようかげきしょう!!」


ゴゴゴォォッ!!!


美香の拳が、黒鉄のガードを――砕いた。

そして、そのまま、腹部に炸裂!


黒鉄「っ……!」


――ズゥゥゥン!


黒鉄鉄也、沈黙。


美香「……終わった」


その言葉とともに、美香の膝が崩れ、意識を失って倒れた。


駆け寄る足音。


影丸「美香ッ! ――大丈夫か!?」


美香は静かに呼吸をしていた。

影丸は、その顔を見て、小さく安堵の息をついた。


「……気絶してるだけか。少し安心だな」



こうして――

第四部隊との、苛烈な戦いは終わりを告げた。


だが、彼らが本当に守りたかった**“リツの村人”**の多くは、すでに攫われていた。


唯一、ことはの元に駆け込んできた少年だけが――

今、この場所に生きて残っていた。


暗い夜が訪れようとしていた。

だが、希望の火は、まだ消えていなかった。


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