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再会と合流



刀が振り下ろされる――その瞬間だった。


金属がぶつかる甲高い音が響く。


ガキィィンッ!


男2「えっ⁉︎」


男2が目を見開く。次の瞬間、鈍い音と共に頭を殴られた。


ゴッ!


男2「イってぇ〜!な、何すんだよアマ!」


――もう一発。


ゴンッ!


男2「うぐっ……!」


女「副隊長に対する態度がなってないね!」


現れたのは、鋭い目をした女だった。


一方、浩一郎はその場で立ち尽くしていた。刀を止めたのは、背中を見せている長身の男。


(……誰だ?)


女が部下を殴り倒す一方で、男は刀を鞘に収め、振り返った。


長身の男「大丈夫か、浩一郎」


浩一郎「あんた、なんで俺の名を……?」


次の瞬間、見覚えのある顔が微笑む。


影丸「久しぶりだな、浩一郎。俺だよ、影丸だ」


浩一郎「えっ……影丸!?」


浩一郎の表情が一変した。力が抜け、へたり込んでしまう。


影丸「本当に、すまない」


影丸は申し訳なさそうに頭を下げる。


影丸「副隊長、アホどもをしめとけ!」


副隊長「ラジャ!」


――ゴスッ、ドゴッ!


男1・2「ギャー!」「ひぃぃ、勘弁してください影さん〜!」


影丸が小さく笑った。


影丸「とりあえず、隊員の紹介をするよ」

「浩一郎たちを襲ったのが風間烈火と嵐山鬼蔵そしてそれを止めてくれたのが副隊長神楽いろは、後から来た3人が右から伊集院夜人、柊京介、黒澤迅だ。」


影丸は周囲にいた部隊員たちを順に指差す。


影丸「烈火、鬼蔵。さっきの無礼を謝れ。娘が起きたら、ちゃんと謝るんだぞ」


烈火「はい……すみませんでした!」


鬼蔵「ごめんなさーい!」


嵐山鬼蔵と風間烈火がペコペコ頭を下げる。


浩一郎「で、影丸……命令は?」


影丸「俺たちの任務は『緒方浩一郎の暗殺』と『緒方美香の確保および移送』だった」


影丸「けどな、俺はその命令を破る。浩一郎、お前の味方に付く」


部下たち「えっ!?」


部下たちも一斉にざわめいた。


夜人「それって……」


影丸「隊員6人には、今この場で選んでもらう。部隊を離脱して俺に着いてくるか、本隊に戻るか」


風間烈火がすぐに叫んだ。


烈火「俺は影さんがいたからここまでやって来れたんです!戻る理由なんてないですよ!」


他の隊員たちも次々に頷く。


影丸は一瞬だけ、目を伏せて小さく笑った。


影丸「お前たち……ありがとな」


影丸「だけど、これからは本気で命がけだぞ。相手は室田直属部隊、化け物ぞろいだ」


副隊長の神楽いろはがふっと笑う。


いろは「あんな奴ら? ボッコボコにしてやりますよ」


影丸が浩一郎の前に立ち、改めて手を差し出す。


影丸「そういうことだ、浩一郎。俺たちも一緒に戦ってもいいか?」


浩一郎は呆然としながらも、その手を取った。


浩一郎「いや、話が急すぎて意味わからないけどさ。元・暗殺部隊が仲間になるならこれ以上心強いことはねぇな」


影丸「そうか、ありがとう」


影丸は笑ったが、その目は鋭さを失わなかった。


影丸「心強いかは分からないけどな。……相手も“人外”だ」


──


一方その頃、室田邸・隊長会議室。


「ヨシカゲ隊が離脱し、緒方浩一郎に味方したとの報告が入りました」


第一部隊隊長の報告に、第二部隊の男が苛立ちを隠さない。


「あいつが? 犬みたいに忠実だったじゃねーかよ」


第三部隊の女隊長が、深いため息をつく。


「これで、浩一郎とその娘への直接攻撃がやりづらくなったわね……」


第四部隊隊長が腕を組む。


「確かにな……面倒なことになった」


重苦しい空気が会議室を包んでいた。


──


室田銀治の命令を裏切り、“元暗殺部隊”と手を組んだ浩一郎たち。

今、静かに反撃の狼煙が上がる。


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