6話 生け贄の魔物の正体とは!?
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト 6話】
フュリスは、生け贄の祭壇にやってきた。
祭壇には、松明が煌々と揺らめいている。
しかし、突然、松明の灯りが消えた。
(邪悪な気配が立ち込めてるわ⋯来る!)
フュリスの目の前に怪物が現れた。
その顔は、どこで見覚えがあった。
「あなた⋯マフィ!? 生け贄を求める怪物ってあなただったの!?」
「ム⋯? お前は⋯? そうか、そうだったか。そうだ、私が生け贄を求める魔物マフィだ」
「どうして、生け贄を求めるの!?」
「永遠の若さが欲しくてねぇ、それには若い女の生き血が必要なのさ」
「そんな事のために⋯許せない! あなたも女でしょう!?」
「そうだよ! だから、若い女が恨めしいのさ!」
「もはや、問答は無用ね! 行くわよ!!」
「ムッ!? 来るか!?」
怒り心頭のフュリスは、一気に距離を詰め殴りかかった。
しかし、その拳は虚しく空を切った。
「ホホホ⋯」
薄ら笑いを浮かべ、マフィが立っている。
「このっ!」
次にフュリスは、目にも止まらぬ早さで蹴りを繰り出した。
しかし、マフィはその場から消え、フュリスの近くに現れた。
「お前の力はそんなものか?」
「くっ⋯!」
マフィは、フュリスを徴発した。
その額には、冷や汗が浮かんでいる。
「そろそろこっちからも行くぞ⋯! 火の精よ⋯! 集いて我に力を与えたまえ⋯!」
マフィの周囲に炎が巻き起こった。
「更に集いて、我に大いなる力を与えよ!!」
マフィの手のひらに、炎が収束していく。
「いでよ! 炎の高圧火球! フレイムカノン!!」
以前に見た、ファイアーボールよりも巨大で高温の火球が飛び出した。
周囲の石垣を溶かしながら、火球がフュリスに迫る。
「ハッ!?」
フュリスは、飛び退いて避けた。
火球は、フュリスの後方の岩山にぶつかり爆発した。
爆発がはれると、岩山は綺麗に無くなっていた。
(ふぅ〜凄い威力ね⋯あれを受けたら危ないわね)
フュリスは、後方の無くなった岩山の跡を見て呟いた。
(フレイムカノンを避けるとは⋯なんて奴だ⋯)
また、マフィもフュリスの姿を見て、踊ろいていた。
(迂闊に近づいて、あれを受けると危ない⋯)
(フレイムカノンを当てれれば、優勢になるのだろうが、簡単には喰らわないだろうな)
お互いに手出しがしずらくなり、戦況は膠着した。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。