表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/46

5話 フュリスは方向音痴!? 漁港の少女との出会い

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

【クエスト オブ サンハルト 5話】


 サンハルトを旅立ち早10日⋯ドラゴンズタワーは一向に見えない。

 方向が真逆なため当然だが。


 (おかしいわねぇ⋯方角はこっちであってるはずなのに⋯)


 フュリスは疑うということを知らず、自分の方向感覚を1ミリも疑っていない。

 やがて海にたどり着いた。


 (お、泳いで行けって事!?)


 フュリスは、迷っているとすら思っていなかった。

 そろそろ気づいて欲しい。

 海岸沿いに村が見えたため、ひとまずフュリスはその村に立ち寄ることにした。

 その村は小さな漁村で、どことなく村民の雰囲気は重かった。


「おや⋯? あんた旅人かね?」


 1人の村民がフュリスに話しかけた。

 白髪、白髭の年老いた漁師で、背はフュリスよりも低く、手はゴツゴツとしていて浅黒い肌をしていた。


 「はい。ドラゴンズタワーという塔を探して旅しています」

 「はて? この付近に塔などないが⋯」

 「え? そんなはずは⋯」


 フュリスの顔には、?マークが浮かんでいた。


 「それよりもあんた女性だね、早く出ていった方が良い」

 「どうしてですか?」

 「この村には最近、若い女を生け贄に出せと怪物が襲ってくるのだ。生け贄に差し出された女はみな戻ってこん。そして、もうここの若い女は1人だけじゃ。あんたも早く出ていかないと、生け贄にされてしまうぞ」

 

 話を聞いた途端、フュリスの表情がみるみるうちに険しくなった。


 「だったら、尚更出ていくわけには行きません! その怪物とやら私が退治して見せます!」

 「ほ、本当かね!? 儂らとしてはありがたいが⋯大丈夫かね?」

 「ええ! 任せてください! そんな怪物を野放しにしておけませんわ!」

 「おお、ではひとまず村長に会って下され」

 「はい」


 フュリスは、漁師に連れられて村長に会った。


 「フュリス殿⋯でしたか? 話を聞くと怪物を退治して下さるそうじゃが⋯?」

 「はい! お任せ下さい! 若い娘を生け贄にするなんて許せません!」

 「好意はありがたいのてすが、大丈夫ですかな?」

 「はい。私はこう見えて、武道家と聖女の末裔。邪なる輩などに遅れは取りません」

 「それは頼もしい。それではあなたにお願いします。明日の夜に生け贄を祭壇に差し出すようになっておりますので、今日はこの村に宿をとります故、また明日、ここに来ていただけますか?」

 「はい! 分かりました」


 フュリスは、この漁村の宿に向かった。

 その夜、扉をノックする音が聞こえた。


 「はい⋯?」


 フュリスが扉を開けると、少女が立っていた。

 少女は顔立ちが幼く、10歳くらいに見える。

 身長は小さく、ピンク色の髪が肩まで伸びていた。

 簡素な布の生地の黄色いワンピースを着ていた。


 「あ、あなたが、わたしの代わりにいけにえになってくれた人ですか!?」

 「そうだけど⋯あなたは?」

 「わたしはサラ。こんど、いけにえにえらばれたものです」

 (こんな幼い子を生け贄にするなんて⋯許せない!)


 フュリスは、怒りが沸いた。


 「フュリスさん⋯でしたっけ? 怪物をやっつけるなんてやめて下さい! あなたにもしもの事があったら、わたし⋯わたし⋯」


 サラの声は震えていて、目元に涙が浮かんでいる。


 「私を心配して来てくれたのね⋯サラ⋯心配してくれてありがとう。私はこう見えても強いから大丈夫よ」


 フュリスは、サラが安心するように優しく声をかけた。


 「ほんと?」

 「ほんとよ、約束するわ。私の帰りを待っててね」


 また、フュリスはサラに微笑んでいる。


 「わかった…お姉ちゃんの帰りをまってる⋯」


 サラは、ウルウルの瞳で真っ直ぐ、フュリスを見つめた。

 「ええ。ありがとう。さ、今日はもう遅いから帰りましょう」

 「うん⋯」


 フュリスはサラを家まで送った。

 そして、翌日の夜になった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。


サラは、ひらがな表記が多くなりますがご了承下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ