4話 奪われた宝刀 フュリスの旅立ちに早くも暗雲!?
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト 4話】
「して、そなたはバチョーとフュリアの末裔と申しましたな、バチョーとフュリアとは…」
「はい。その昔、大魔王を倒したのが勇者ケンイチ様。その仲間3人の内、2人が武道家バチョーと、聖女フュリアですわ」
「では、そなたは勇者ケンイチの仲間の末裔というわけですな?」
「はい。そうです」
「勇者ケンイチは、大魔王を倒した後、行方知れずと聞いているが、仲間の末裔であるそなたにも行方は分かりませぬか?」
「はい…残念ながら…」
「勇者の末裔でないのは残念じゃが、その仲間の末裔が駆け付けてくれた事に感謝致しますぞ。して、これからフュリス殿はどうされるのかな?」
「邪竜エビウスを倒したいのが本音ですが、どこにいるのか分かりません。実は、先月お告げがあり、サンハルトに危機が迫っているから、すぐに救援に向かい、そのごドラゴンズタワーという場所に向かいなさいとの事でしたわ」
「なるほど、次はそこへ向かわれるのですな」
「はい」
「あいわかった、我が国からも食料等の援助をしよう」
「ありがとうございます。また、旅の道中でケンイチ様の末裔を探しますわ」
「うむ」
「お、王様! 大変でございます!」
そこまで話したところで、1人の兵士が血相変えて玉座の間に飛び込んで来た。
「どうしたのだ!?」
「ほ、宝物庫を荒らされ、陽を盗まれてございます!」
「な、なんじゃと!?」
(あの人⋯マフィ⋯だったかしら? 目的は達したとはこの事だったのね⋯)
「ううむ…陽まで奪われるとは…」
「恐れながら申し上げますわ。陽を扱えるのは、ケンイチ様の末裔のみと聞きます。持っていても扱える者がいない状況です。盗まれた物は仕方がございませんので、ケンイチ様の末裔探しと共に陽も探しますわ」
「うむ⋯我が国からも、立て直し次第捜索隊を出そう。とにかくフュリス殿、今日は部屋を用意致すゆえ、今日は泊まり明日、出発されてはいかがかな?」
「はい。お言葉に甘えさせていただきますわ」
フュリスは、この日はサンハルトに泊まり、翌朝早く出発した。
(ええと⋯お告げでは、ドラゴンズタワーは、サンハルトから西って話だったわね)
フュリスは、朝日に向かって歩き出した。
ここ異世界サンハルトでは、現世と同じく、太陽は東から登り西へ沈む。
つまり、フュリスは真逆に向かっていった。
フュリスは武術の達人だったが、方向は苦手だった。
彼女はエビウスの居城はおろか、ドラゴンズタワーにたどり着けるのだろうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。