3話 強敵!? 暗黒武道家マフィ!
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト 3話】
マフィと名乗る女は、身長はフュリスと同じくらいで、漆黒の長い髪をもち、鋭く冷たい目つきをしており、唇に真っ赤な紅をさしていた。
漆黒の装束を纏い、棒立ちだが全く隙が無かった。
(できるわ⋯この人⋯!)
フュリスは、対峙しているマフィに対して思った。
(伊達に1人でここまで突破してきて無いようだね⋯)
また、マフィもフュリスの実力に対して一目置いた。
2人はすぐに飛び掛からず、睨み合っていた。
その後、ようやく兵士達が、フュリスの姿を捉えた。
(ラチがあかないわね、仕掛けてみるか⋯!)
(くるか⋯!?)
フュリスは目を見開いた。
また、マフィも同時に身構えた。
「やあああっ!」
フュリスは、マフィに蹴りかかった。
マフィは、蹴りを腕で受けた。
「ヤーッ!」
今度は、マフィがパンチを見舞った。
フュリスは素早く身をかわし、両者攻撃の応酬となった。
その力は互角だった。
(この人やっぱりできるわ⋯!)
(やるもんだね⋯!)
2人とも、連続でバク転し距離を取った。
「炎の精霊よ⋯我に力を⋯! ファイアーボール!!」
マフィの手のひらから火の玉が飛び出した。
「水の精霊よ⋯我に力を⋯! ブリザード!!」
フュリスの手のひらから吹雪が吹き出した。
火の玉と吹雪がぶつかり合い、爆発を起こした。
(魔法もひとまず互角か⋯)
フュリスは身構えた。
マフィに魔物が耳打ちした。
すると、マフィは広角が上がりニヤッと笑った。
「来ないの!? だったらこっちから行くわよ!」
「フフフ⋯そう急くな⋯あんたとはまた今度遊んであげるよ」
「なんですって!?」
「もうこちらの目的は達したのでね⋯者ども! 引き上げるよ!」
マフィは、引き上げの合図と共に、魔法陣の中に消えた。
また、魔物達は一斉に引き上げた。
「行ったみたいね…」
「もし⋯? フュリス殿でしたかな? あなたのお陰でこのサンハルトは落城しませんでした。礼を申しますぞ」
兵士小隊長が深々と頭を下げた。
「いいえ、間に合って良かったですわ」
フュリスは、微笑んだ。
その笑顔は女神のように美しい。
「どうか、我が国王陛下にお会いください」
「はい」
フュリスは、小隊長に連れられ、サンハルト国王に謁見した。
「おお! そなたのおかげでこのサンハルトは救われた! 礼を申しますぞ!」
「はい。間に合って良かったですわ」
フュリスは、穏やかな表情を浮かべた。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。