17話 ケンジロウ参上! フュリス救出!
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト 17話】
フュリスの牢獄は、孤島にあり、ケンジロウは岩場に上陸した。
ケンジロウの目の前には、険しい断崖絶壁がそびえていた。
(さて、着いたは良いが、フュリス⋯だったか? どこにいるんだ? 探してみるか)
ケンジロウは、再び海に飛び込んだ。
島の周囲を泳ぎ、島には建物が一軒あるだけだった。
(とりあえず、海から見えるのはあの建物だけか⋯それに化け物が彷徨いている。ならば)
ケンジロウは、再び始めに着いた岩場に戻った。
(位置関係的に、建物のほぼ真裏にあるはず⋯)
ケンジロウは、断崖絶壁をよじ登り始めた。
その早さは、壁を這うクモよりも早い。
あっという間に頂上に着いた。
(あそこか⋯!)
ケンジロウは、眼下に建物を見つけた。
辺りを見回しても、他に建物は見当たらない。
(見張りは裏にはいない⋯)
ケンジロウは、断崖絶壁を飛び降り建物の裏に着いた。
(侵入口は⋯!)
ケンジロウは、窓を見つけ中を覗いた。
(誰もいない、よし!)
ケンジロウは、窓から中に入った。
そして、中の様子を伺った。
(牢屋だな。見張りが2人⋯よし!)
ケンジロウは、吹き矢を取り出し針を射った。
吹き矢は、魔物の首に刺さり2匹とも静かに倒れた。
針には痺れ薬が塗ってあった。
「あ、あなたは!?」
「あんたがフュリスだね。待ってな、今ここを開ける」
ケンジロウは、牢屋の鍵を開けた。
「助けてくれてありがとうございます。あなたは⋯」
「俺はケンジロウ。詳しい話は後だ。脱出するよ」
「え⋯ええ!」
別の牢屋から、フュリスの装備を取り戻した。
この牢屋がある建物は、牢屋があるだけの簡素な造りで、ケンジロウ達はすぐに外に出た。
「ミミッ!?」
外にいる魔物達に気づかれ、一斉に向かってくる。
その数、20〜30匹。
「さすがに最後まで気付かれずに脱出ってわけにはいかないか。フュリス、戦えるかい?」
「ええ! 大丈夫よ!」
「よし。 じゃあ、蹴散らすぜ」
「ええ!」
ケンジロウは、刀を抜いた。
その刀は、刀身に炎の装飾がある美しい長刀だった。
炎刀“沙羅曼蛇”だ。
ケンジロウは柄を握り直し、刀の峰を向けた。
ケンジロウは、静かに呼吸を整えると魔物達に歩いて近づき、魔物の攻撃をスルッと抜け、魔物は静かに倒れた。
魔物は、目を回して気絶していた。
ケンジロウがみね打ちをしたのだった。
その後、スルスルと水が流れるように敵の動きを避け、次々と魔物達は倒れていく。
泳ぎや断崖絶壁を登る姿で見る、野性味溢れる姿とは異なり、静かでせせらぎのように流れる動きだった。
(凄いわ⋯! 無駄な動きが一つも無い⋯)
フュリスは、惚れ惚れとして見惚れていた。
「おーい! 手伝ってくれよぅ!」
「あっ! ごめんなさい!」
フュリスは、ケンジロウを狙う魔物に瞬く間に近づき、手刀を浴びせ倒した。
(すげぇ早さだ! この人は武道家か!)
ケンジロウもフュリスの動きに感心していた。
「フュリスになら安心して背中を任せられそうだ!」
「私もよ!」
ケンジロウとフュリスは、互いの背中を守りつつ、魔物達を気絶させていき、全てを戦闘不能にした。
そして、砂浜に着いた。
「逃がさないよ!」
「マフィ!」
ケンジロウとフュリスの目の前に魔法陣が現れ、中からマフィが現れた。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。