13話 聖剣! エクスカリバー!
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト オブ サンハルト 13話】
ジェネラルドラゴンは、続けざまに火を吐いた。
「くっ⋯!!」
フュリスは、避け続けている。
だが、ジェネラルドラゴンに近づくことが出来ない。
部屋は火で温度が上がり、フュリスは尋常じゃない量の汗をかき、美しいライトブルーのロングヘアは、湿気で乱れている。
「ハァハァ⋯」
さすがのフュリスも、ずっと動き続けている事と、部屋の高温で息が切れてきた。
「うっ⋯!」
突然、フュリスは目眩がした。
「もらった!」
「キャーッ!」
フュリスがよろけた隙を逃さず、ジェネラルドラゴンは紅蓮の炎を吐き出し、フュリスに直撃した。
フュリスは、爆風で吹っ飛び壁に叩きつけられ、とうとう倒れた。
「うぅ⋯」
フュリスの身体は、ブスブス⋯と焦げ臭く火傷をおった。
「このまま一気に葬ってやろう!」
ジェネラルドラゴンは、最大威力の火炎を吐こうと一段と大きく息を吸い込んだ。
「ムッ!」
しかし、ジェネラルドラゴンは火炎を吐くことをやめた。
フュリスの身体が光り輝き、みるみるうちに火傷が癒えていく。
「まだまだよ!」
フュリスは、立ち上がり再び身構えた。
「回復魔法か⋯! 忌々しい⋯!!!」
ジェネラルドラゴンは、苛立った。
「今度はこっちの番よ! トルネード!!」
「グオオオッ!!」
ジェネラルドラゴンの足元から凄まじい竜巻が巻き起こり、四肢をねじ切ろうとあらゆる角度からの風圧がかかる。
「ガアアアアーッ!!!」
ジェネラルドラゴンは、全身の鱗が剥がれ傷ついているが、雄叫びを上げ耐えきった。
「やるでは無いか⋯」
ジェネラルドラゴンは、ニヤッと笑った。
「そっちこそ⋯トルネードで致命傷にならないなんて流石ね⋯」
(聖魔法しかないか⋯タメの時間を稼げるかしら⋯)
ジェネラルドラゴンは、再び大きく息を吸い込んだ。
(⋯!? 特大の火炎を吐く気ね!
ならば、こちらも聖魔法で勝負!)
フュリスは、魔法の詠唱を始めた。
(ムッ⋯! なんじゃ!? い、今までとは違う⋯!!)
ジェネラルドラゴンは、フュリスのロングヘアが逆立ち、周囲から白いオーラが湧き上がっている事に気がついた。
(ええい⋯こちらも最大の炎で勝負するしか無い!!)
ジェネラルドラゴンは、更に大きく息を吸い込み、身体中が燃え上がるように真っ赤になった。
(喰らえっ!!)
ジェネラルドラゴンは、カッと目を開き火炎を吐いた。
空気がよどみ、青白い業火がフュリスに迫る。
「な、何をしておるのだ!?」
しかし、フュリスはまだ魔法を詠唱しており、業火の前に棒立ちになっている。
しかも、目を閉じたまま。
業火がフュリス間近まで迫り、その美しい顔に炎症を負ったが⋯
「聖剣⋯エクスカリバー!!」
次の瞬間、フュリスはカッと目を開き魔法を唱えた。
真っ白に輝く光の聖剣が、業火を突き貫く⋯
「グアアアアーッ!!」
業火を貫き、そのままジェネラルドラゴンの喉をも貫いた。
ジェネラルドラゴンは、そのまま仰向けに倒れた。
「み、見事だ⋯」
ジェネラルドラゴンは、満足そうな笑みを浮かべた。
「はぁっ⋯! はぁ⋯」
フュリスは、肩で大きく息をついた。
「い⋯いまの⋯ま⋯ほぅ⋯は⋯?」
「聖魔法、エクスカリバーよ」
「エクス⋯カリ⋯バー⋯⋯す⋯ばら⋯し⋯⋯」
ジェネラルドラゴンは、その後の言葉が出無かった。
「あなたも⋯強かったわ⋯」
フュリスは汗を拭い、目元も拭った。
少し涙ぐんでいた。
フュリスは、敵であろうとあまり殺生を好まない。
ジェネラルドラゴンは、事切れる寸前笑みを浮かべた。
(フ⋯戦いで死ぬのは本望⋯じゃ⋯)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。