11話 潜入! ドラゴンズタワー!
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【クエスト・オブ・サンハルト 11話】
凄まじい轟音とともに、火炎放射がフュリスめがけて飛んできた。
フュリスは、素早く避けると同時にドラゴンの懐に飛び込んだ。
フュリスのアッパーカットが、ドラゴンの顎に決まり、ドラゴンは仰向けに倒れた。
「グオオオオッ!!」
奥の回廊から、ドラゴンが数匹フュリスに向かってくる。
「ええいっ!!」
フュリスは、倒れたドラゴンの尻尾を抱え、向かってくるドラゴンに投げつけた。
ドラゴンは、勢いよく倒れた。
「スリープ!」
倒れたドラゴンに催眠魔法をかけドラゴンを眠らせた。
「ふぅ⋯」
フュリスは、額の汗を拭い一息ついた。
(さすが、ドラゴンズタワーって名前ね、ドラゴンばかり出てくるわ)
フュリスは、多数のドラゴンに襲われながらも、タワーを駆け上がっていき、とうとう最上階についた。
「女の身でありながら、ここまで来るとは大したもんじゃのぅ」
フュリスに話しかけて来たのは、一際大きなドラゴンだった。
「誰!?」
「ワシは、ジェネラルドラゴン。この塔の主じゃ。して⋯お主は何をしにここに来たのかな?」
「何って⋯? 何だっけ?」
「理由も無くここに来たのかの?」
フュリスは、少し困った表情を浮かべ、ジェネラルドラゴンも困惑の色を隠せなかった。
「はっ⋯! お告げよ、お告げ!」
「ほぅ⋯? して、何とお告げがあったのかな?」
「エビウスを倒すカギがここにある、聖なる乙女よそこに向かえ。よ」
(なるほどな⋯)
ジェネラルドラゴンは、後ろをチラッと見た。
ジェネラルドラゴンよりも一際大きな石像があった。
「ムッ⋯!」
ジェネラルドラゴンは、フュリスの腕輪を見た。
「娘よ⋯そなたどこでそれを手に入れた?」
ジェネラルドラゴンは、フュリスの腕輪を指差した。
「これ?」
フュリスは、左手につけている腕輪を差し、ジェネラルドラゴンは黙って頷いた。
「これは、とある漁村で貰ったものよ」
(おそらくは、破邪の腕輪か⋯この者が聖なる乙女だとすれば⋯)
ジェネラルドラゴンの額に、一雫の冷や汗が滴った。
「娘よ⋯ここにはそなたの求める者は無い立ち去られよ」
「そう? じゃあ帰るわ」
(厶? こやつエラく素直じゃの。 それともアホなのか?)
「ウム。気を付けてな」
ジェネラルドラゴンは、呆気にとられたが胸を撫で下ろした。
フュリスは、背を向けて帰ろうとすると⋯
(か、帰らないでくれーっ!!)
フュリスの脳裏に強烈なテレパシーが届いた。
(だ、誰!?)
(私はアラモス。そなたの前にある石像だ)
(あ、アラモス様ですか!)
(そ、そうだ! 助けてくれ!)
(分かりました!)
フュリスは、再び前を向いた。
「悪いけど帰るわけにはいかなくなったわ! その後ろの石像がアラモス様だったのね」
「な、なぜそのような事を?」
「石像本体からテレパシーがあったもの」
「ムゥ⋯ならばここを通すわけにはいかん!」
「でしょうね。でもこっちも引くわけにはいかないの!」
「こうなる運命であったか⋯ならば参るぞ!」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。