靴屋
靴の続きです。
電話に出る。
「"靴が欲しい"」ブツッ..電話が切れる。
丁度いい今日は、仕事の説明をしよう。
私は、電話が掛かってこない日でも、
道具の手入れは忘れない 。ゴミや道具が歪んでないかと、念入りにチェックする。
手入れがすんだところで、ツールバックにしまう。
そしていつもの地下鉄で、相棒(監視者)と会う。
相棒は必ず会うたび少し、 いや、かなり長めのハグをしてくる。
傍から見れば、私達はきっと、同性愛者の
恋人として見えるだろう。
そうそう、相棒(監視者)の紹介をしよう。
彼は、いつも黒いスーツに
紫か、エメラルドグリーンのネクタイ常にどちらかしている。
無口で名前もない
だから、私は彼のこを「モンコ」と呼んでいる 。なぜ、モンコかってそれは、彼が「夕日のガンマン」に出てくる主人公 を演じていた。クリントイーストウッドに顔が似ているからだ。
私は彼にこの話したら鼻を折られてね~。
まぁいい..。
今日は昔、買い損ねた"靴"が、再販と聞いて
雇い主が、私達に直接その"靴"のカタログを、人を通して渡してきた。 ご丁寧に、
カタログ番号→(部屋番号)まで書いてある。
この靴は、自分が買われることも知らずに
今日もショーウィンドウの中でいっぱい
ライトに照らされ飾られていることだろう。
店→(マンション•アパート)の中に入るには、
よく使う手だが「廊下の電球の交換をしに来た」と
オーナに言う。
私達が買う"靴達"は基本的に、ボロい店に
並べられていことが多い。だからこの手は使いやすい、今回も同じやり方で店の中に入った。
カタログ番号の数字を一つ一つ確認して
目当ての靴が飾ってある棚→(部屋)の前まで来た、値札→(名前)に書いてある金額を確認し
モンコが、持ち金→(鈍器)をもって
レジ→(ドアをこじ開ける)を通る
店を出る→(部屋に入る)
私は椅子に座った。
モンコは、一人冷蔵庫をあさり
飯を食う。
少し話を過去に戻そう。
2年前私達は、今回の"靴"を買いに行ったが
少し...いや ..大いに 、しくった。
自分達で何日もかけて"靴"の素材、色合い光の反射具合など、ショーウィンドウの中で
一日何回ライトに照らされたか。
あと、カタログ番号も全部自分達で調べて
何もかも全部調査済みで最高の準備万端の
状態だったのに..
早い話..カタログ番号を間違えていた。
どうやら一つ隣のお店に飾ってあった。
一つ隣の店のオーナーをしていたお婆さんとも揉めてしまって...私は丁寧に説明をしたのだが、お婆さんの後ろから、モンコが鈍器で
重い一撃を頭にくらわせた。
他人の風呂場で、私は下着姿で血の付いた
カーペットを洗わなければならないとは
モンコは隣の便器に座って、一人シリアルをちゃっかりと召し上がっていた。
お婆さんも隣にいた。
私は思った「こんな形で人生を閉じるとは..お婆さんどうか私をお許しください。あなたを殺ったのは、無口でイーストウッドに似た大男です。アーメン」せかっくだから雇い主にお婆さんの履いていた"靴"をプレゼントした。
メッセージを添えて「私達の親愛なる常連さんへ愛をこめて..許して」と
そして今日..待って
ガチャ 。(ドアノブを回す音)
キィ~。 (ドアを開ける音)
モンコがドアの後ろから鈍器で「ドンッ」と重い一撃。
無事"靴"を買うことが出来た。後は綺麗にラッピングして、雇い主に届けるだけだ
明日の新聞が楽しみだ。
ーー1時間40分後ーー
無事に、雇い主の家まで来た。
普通の家だ。何の変わりのない普通の家。
私達は中には入れない。
必ず人を通して、雇い主と繋がる
インターホンを鳴らし、ドアの前で待っていると、
いつものカートゥーンアニメに出てきそうな
優しいおじさんが、紙袋を持って
私達の所へ来る。
おじさん「ボスからだ、よくやった。」
ただそれだけ、ドアがゆっくりと静かに閉まる。
閉まる瞬間も、雇い主を表しているみたいで変な緊張感を覚える。
後は、お互いにカネを"公平"に分け合って、
別々に家に帰る。
これが私の仕事の流だ。
終
ありがとう。