003 暑いので旅に出ます探さないで下さい
【あらすじ】
とある男子高校生が旅に出た。家の中にいると蒸し暑くて居られないという、ただそれだけの理由で。旅に出ても結局蒸し暑いと嘆きつつも、気ままな一人旅を楽しんでいた彼だったが……。
【ジャンル】
コメディー〔文芸〕または現実世界〔恋愛〕
【キーワード】
旅 日常 夏 思い込み
【本文】(短編冒頭触りレベル)
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「あちい…。エアコンで涼みてえ」
『なら、旅に出なきゃ良かったじゃない』
「幻聴までしてきやがった。いよいよ重症か」
『よっぽど、私を無視したいみたいね?』
「そりゃあ、美少女の声とか聞こえたらなあ」
『声だけで美少女とか、それなんて声優フェチ』
「謝れ! 世界の美少女声優さん達に謝れ!」
7月中旬の日曜日。俺はあまりの暑さに家を飛び出し、旅に出ることにした。明日からまた学校? 知らん。8月のお盆直前までやってる学校なんてクソくらえだ。どうなってんだ、○ー○○ー高校。
『家から近いって、自分で選んだんじゃない』
「心を読むな。いや、年間行事表とか見てなくて」
『自業自得だし。定期試験までに戻れるの?』
「1〜2週間程度なら余裕だな。金もないし」
『でも、その手にあるのは何かしら?』
「パスポートだが? 国境を越えるには必要だ」