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002 クラス召喚で私が勇者!? 瑞穂お嬢様の異世界チート冒険記

【あらすじ】

 自称・普通の高校生である舞浜瑞穂は、クラスメイト達と共に異世界に召喚される。異世界やら転移やら転生やらの知識を持ち合わせていないため大いに戸惑ったものの、周囲の助けも借りて勇者としての能力に目覚め、魔王討伐のための旅を始める。瑞穂を神のごとく信奉しているクラスメイト達と共に。


【ジャンル】

ハイファンタジー〔ファンタジー〕または恋愛〔異世界〕


【キーワード】

異世界転移 異世界召喚 冒険 魔法 勇者 魔王 バトル 勘違い


【本文】(第一話冒頭レベル)

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「ごきげんよう、みなさん」

「ご、ごきげんよう、瑞穂(みずほ)様!」

「まあ、クラスメイトに『様』なんて要りませんのよ。もっと気軽に呼んでくださいな」

「は、はい、瑞穂…さん!」

舞浜(まいはま)さん、おはようございます!」

「はい、おはようございます。今日も良い天気ですわね」


 (わたくし)の名前は、舞浜(まいはま)瑞穂(みずほ)。先月高校に入学したばかりの、ごく普通の女子高生ですわ。


 お恥ずかしい話ながら、得意分野はこれといってなく、年度始めの学力テストでは、どの科目も同じような成績でした。運動も可もなく不可もなく。未だどの部活動を始めたら良いのかわからないのです。ああ、貴重な青春を無駄にしてはいけないというのに…。


 でも、クラスメイトには大変恵まれました。みなさんこうして大変礼儀正しく、こんな平凡な(わたくし)にいろいろと話しかけてくれて。斉藤さん、後藤さん、加藤さん、藤沢さんは、特に仲良くしていただいている方々ですわ。お昼御飯も一緒、部活動見学も一緒。登下校を御一緒できないのは残念ですが、一生のお友達となりそうです。嬉しいですわ!


「よし、HRを始めるぞー。では、舞浜さん、よろしくお願いします」

「いやですわ、先生。挨拶の号令はクラス委員の務め。お願いされるものではありませんわ」

「は、いや、しかし…」

「では、みなさん、始めましょう。起立」


 ザッ


「礼」


 ザザッ


「着席」


 スッ


 ああ、クラスのみなさん、本当に洗練された御挨拶で大変羨ましいですわ。(わたくし)は、どうにもおっとりとしていると申しましょうか、しっかりとした動きができなくて困っておりますの。中学でもそうでしたから、一念発起してクラス委員に立候補したのですけれど。(わたくし)、うまくやれてますかしら…。


 ぶおんっ


「な、なんですの!?」


 突然、教室の床全体が光ったかと思うと、大きな円の模様がいくつも描かれました! 見たことのない文字のような、図形のような何かも現れて…。


「おい、これって…!」

「そうだよ、間違いねえ!」

「うそ!? 本当に?」


 クラスのみなさんは、この光の紋様が何かわかってらっしゃるみたいです。ああ、(わたくし)ったらなんて浅学なのかしら。何をどうしたらいいのか、さっぱりわかりませんわ。


「ってことは…フォーメーションS! 瑞穂様を全力でお守りしろ!」

「ラジャー! 第1班、周囲の警戒! 瑞穂様に指一本触れさせるな!」

「第2班、瑞穂様の盾となれ! 日頃の訓練を思い出すんだ!」

「第3班、火器使用を許可する! 弾薬をかき集めるんだ!」


 みなさんが規律正しく動いてらっしゃる間も、光の奔流はどんどん強くなっていきます。


「クラスのみなさん、ですから(わたくし)に『様』は要りませんわ―――」


 カッ!



「ん…」


 気がつくと光は消え、(わたくし)はベッドの上で横になっておりました。もしかして、夢を見ていたのでしょうか。でも、ベッドは(わたくし)の自室のものではありませんし、周囲も石造りの部屋のようなところで…。


「…あら、みなさん、どうかされたのですか?」


 見ると、部屋の片隅で、クラスメイトのみなさんが何かを取り囲んでいるような様子です。


「瑞穂…さん! 目が覚めたんですね!」

「おい、みんな、舞浜さんが目を覚ましたぞ!」

「なんだと!?」


 どどどどどどど


「良かった、良かったよー!」

「ぐすっ…本当に、無事で…」

「俺、この瞬間のことは一生忘れねえ…」


 みなさん、泣きじゃくりながら(わたくし)のところに駆け寄り、無事を喜んでいます。状況は全くわかりませんが、嬉しいです。感激です!


「みなさん、ありがとうございます。(わたくし)はこの通り大丈夫です。でも、御心配をおかけしたようですね。申し訳ありませんでした」

「とんでもない! 舞浜さんが謝ることはないですよ!」

「そうそう! それもこれも、こいつらが…!」


 クラスのみなさんがいらっしゃったところをあらためて見ると、正座をしている方々が何名かおられます。立派な冠と衣服を身に着けた男性がひとり。同じく冠、いえ、ティアラでしょうか? 美しいドレスと共に着飾った女性。あとは、老齢で杖を握っている男性に、大きな剣を持った男性。そして、数名の鎧に身を包んだ人々。…演劇部の方々でしょうか? あんな立派な鎧が学校にたくさんあるなんてびっくりです。それにしても、鎧で正座は辛そうです。一体、何があったのでしょう?


「斉藤さん、あの方々は…」

「これから説明しますね。実は、瑞穂様が眠っている間に…」

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