【20191101(20191102)】
【読者の反応】
「助けていただけないでしょうか」と下手に出る 0%
「ここから出たくはないですか」と取引を持ちかける 60%
「あの乙姫を倒したいんです」と気概を示す 40%
「ファンなんです」ととりあえずおだてる 0%
#ツイッタゲーム
カンちゃんは深く息を吸い込んで、静かに吐き出す。それから意を決した表情になり、切りだした。
「こ……ここから出たくはないですか」
クリオネ姉さんは表情を変えずに「ほぅ」と呟く。
「期待させるってことは、その期待が裏切られたときの覚悟が出来てるっていうことだよね?」
「覚悟は出来てます」
食い気味に答えるカンちゃん。
「随分昔の乙姫の、目玉をほじくって試してみたことあるよ。それで扉は開かなかったけど、お前は勝算あるの? さっきは我を起こしたのがお前だって勘違いしたから……だけど乙姫じゃないのはもうバレてるからね。時間稼ぎのハッタリなら狩るよ?」
天使のような笑顔を浮かべて死神のようなことを言うクリオネ姉さん。カンちゃん、ハッタリじゃないんだよね?
そんなハラハラしているこけし(俺)を、取り出したカンちゃんはクリオネ姉さんの前に掲げる。
……ハッ?! ま、まさか……俺が武器か何かに変形するッ?!
こけしソード……こけしランス
……こけしバズーガ……妄想が膨らもうとしたその時、カンちゃんがこけし(俺)の頭をぐるぐる回し始めた。うわわ。なんだか変な気分……え? これって……。
「魂の器を使うんです」
「ふぅん。解析するからね」
クリオネ姉さんがこけし(俺)を無造作につかんだ瞬間、視界が闇に包まれた。
「ふぅん。1ユニットを一人に偽装する作戦ね。面白そう。コードを少し書き換えたらイケそう」
閉ざされた視界にクリオネ姉さんの声だけが聞こえていた……のが、途中から頭に直接響き始める。
「中になんか居るね? ふぅん。直接回線を開いているの……我も混ぜてもらうね」
「え、あ……ハイ」
『おい、中のヤツ、答えてみて』
『頭の中に直接響いて……アッ、え、これ、会話ですか?』
『そうみたい。今までは一方通行だったけど……』
『一方通行ってことは……あれ? もしかして俺の考えは全部会話になっちゃう感じ?』
『慣れて。で、お前……小娘の方……なぜ我を宝物殿から出そうと?』
『あたしは……ここを……竜宮を壊したい。あたしや姉さん達のような忌まわしい存在を、そういうモノを未だに造り続けるここを、そして何よりもそんなここを支配し私物化している現乙姫さ……乙姫を、滅ぼしたい』
『うわ、カンちゃんそんなことを考えてたの?!』
『いいね。ソソルね。面白そう』
『あと、小娘じゃないアンタ、ちょっと五月蠅い。意識を集中させれば送る送らないを切り替えられるの!』
『そんなこと急に言わ』れてもなぁ……あ、これでいいのかな?
『では早速出ようじゃないの。その後、我は楽しめばいいのね? アトランティスのように』
『アトラン』ティス?!
今まで身近にあった俺とカンちゃんの物語が、急激にデカくなる。自主制作映画を撮りはじめたら、いつの間にかハリウッドで制作費『ウン億円の映画になっちゃってるような……ハリウッドか……カンちゃん可愛いからなぁ……』
『オイ。キモチワルイのがダダ漏れてるよ。早く慣れて』
『ヒャ』ァァァ!
『で、でででは、い、行きます』
こけし(俺)の振動が始まる。空間の軋みも。
『宝物殿は魂の器では突破できませんが、この状態でホオジロ姉さんから借りた乙姫承認を発動させます』
うわ、なんか痒い!
痒いけど掻けない!
そして、軋んだまま空間が瞬いた!
……視界が戻る。カンちゃんの頬が赤い。
「ほぅ! 外!」
『……良かった……』
「エネルギー供給はあと何基残ってるの?」
「あと一つです」
あ、なんか『会話しないモードに戻ってる?』
『アーンーター』
は、はい! 慣れます!
「ではお前ら、謳歌しなね!」
クリオネ姉さんはカンちゃんに何かを渡して、研究所の外へ飛んでいった。
何を渡されたんだろう?
『……多分、これ……邪神の笛?』
邪神の! ……というか、今更だけど『こうして会話にしなくとも、俺の考えはカンちゃんに全部つながってたんだよね……』照れるよね。改めて見るとやっぱり可愛いとか、そういうのも全部。
『……そういうのは……言葉にしてほしい』
キュンときた。
すげーキュンときた。
「おい! こっちに侵入者が居るぞ!」
無粋な邪魔が……オリエンタルデザインな甲冑に身を包んだ魚人間達……の後ろに、毘沙門天のオッサン!
さあどうする?
【選択肢】
・笛を使ってみよう!
・とりあえず別の場所へ逃げよう!
・宝物殿へ隠れるのはどうだ?
・説得とかできるかな?




