【20190809】
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#ツイッタゲーム
「坊や……だからさ?」
カンちゃん、何、その探り探り。違う違う。もっとこう……あー、伝わらないかな……とモヤりかけたその時。
「お姉ちゃんは僕のママじゃないよ。ママは……僕のことなんて無視する生き物だから……ママにとっては兄ちゃんが全て。僕なんか居ないも同然だし」
少年が突如として語り出した。
「……わかるかな。同じ家で、存在を許されている者を眺め続ける、無視されている者の想い……僕は、ママを見返すために、世界中から賞賛の声を集めたんだ。ウケるためなら何でもやったし、実際にウケた。小細工なしに一万回再生だっていったよ……でも……」
少年は目を閉じた。その縁に溢れ溜まった想いは少年の横顔を流れ落ち、カンちゃんの頬へと落ちる。
「ママは、世間が認めた僕を、それでも気にもとめなかった……」
カンちゃんが少年をギュッと抱きしめる……その手を、少年は振り払い、起き上がった。
「お姉ちゃん! その男と付き合ってんだろ!」
「ダメだよ。一緒に居るってことは、ちゃんと相手を見ないとダメ」
少年はポケットからバールのようなものを取り出しドアについてる鎹を外し始める。
「僕は、僕だけの恋人を見つけ、お互いの顔をちゃん見る家族を作る。それが僕の復讐だ」
少年は良い顔をしている……けれどポケットどうなってんの?
あれ、なんか、空間が歪み始めている……少年が外した鎹が床に落ちるたび、その振動で世間が震えている。そうか、この世界も崩壊するのか。
「ありがとうね、お姉ちゃん。さっきは酷いこといってごめんね」
最後の鎹を外し、ドアを開けた途端、少年は溶けるように消えてしまった……消えた?
「カンちゃん……今の……」
大樹くんがこけし袋を背負い、カンちゃんの手を取って起こす。
「世界の要はね、精神だけの存在なの。そうじゃなきゃこんなにもループなんて出来やしない。あの魂はようやく解放されたの」
「じゃあ、今の彼も魂の器に移してあげれば……」
魂の器……ってこけしだよね?
大樹くんが言いかけた言葉に、驚くカンちゃんのその表情……ダメだよ、そんな顔したら。本当だって認めたようなものだよ。
「違うの……」
「カンちゃん、何が違うの?」
カンちゃんは何か言いにくそうにしていたが、意を決したように、その言葉を口にした。
「肉体があるうちに移さないとダメなの」
世界の崩壊が進むこの視界のビジュアルが、自分の心を映す光景のように思えてならない。
それって、現在こけしに入れられているこの魂は、誰かに入れられたってことだよね? そして本当の体がどこかに在るってことだよね。
ああ、世界がもう崩れる、次の世界へ移動しなければ……次の世界……。
「ダメ、まだ早い! 先に残り二つの世界を解放しないと、乙姫様には勝てないから!」
乙姫様……それ、あの巨大な魚のようなアレのことか……思い出しただけで身震いする……その振動が大きくなり、こけしと二人は宙に浮く。
次の行き先は……。
【選択肢】
・大工仕事の木製の窓
・丈夫そうなレンガの窓
・乙姫様の居た、あの回廊
・仄暗い海に浮かぶ白い浮島




