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【未完結】ブランノワール〜覚醒と災厄の崩壊神話〜  作者: テトラ
第1章:聖女救出編
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第4話:概念破壊

是非ご感想下さい〜!

 翌日、俺は師匠から黒の力について教えてもらっていた。


「いいか、黒の力の本懐は“破壊”だ。ちなみに、なんだがお前は“破壊”って言葉に対して、どういうイメージを持っている?」


 破壊……破壊か。ふむ、そうだな。


「破壊は……一言で言うならば“悪”だと思う。一概に全てが悪とは言えないけどな。まあでも、大半はそういう物だと俺は思う」

「ふむ……では、“破壊”できる物で思いつく物を挙げてみろ」

「破壊できる物? そうだな、例えば建物とかか?」

「ああ、そうだな。一般的に破壊と言えば、形有る物を壊す事を指すな。だが、今ここでその常識を“破壊”してもらう」

「常識を破壊?」

「ああ、そうだ。例えば、形無き物で破壊できる物には、人の心や人間関係などが有る。わかるか?」


 心や人間関係……

 物理的に壊すのでは無く、“言葉”や“態度”で壊すということだな。


「そういったように、形の無い物も見方を変えれば、“破壊”することはできる。だからお前にはこれから“宿命”を破壊してもらう」

「宿命を破壊!?」


 んん?なんだか話がおかしな方向に行ってないか?師匠が何を言っているのかが解らないぞ。


「まあまあ、そんな顔をするな。ちゃんと説明するから。まず、黒の力を所有する者、すなわちスキル【破壊】を所有する者は【破壊】以外のスキルを習得する事が出来ないんだ。それは白の方も同じらしいんだが。……なんだ、その、そういう仕組みらしくてな。だからお前にはその宿命を壊してほしい」


 宿命を壊す……。

 出来るのか?俺にそんな事が。


「つまり、俺が【破壊】以外スキルを使えるようにする、ってことだよな?」

「ああ、そういうことだ」


 でもそんなことをするってことは……


「俺が弱いから、か? 黒の力だけじゃユキを救えないから、か?」


 これは俺の本心だ。

 別に俺は自分のことを特段強いなんてことは思わないし、そもそも【破壊】を一回も使ったことがない。

 だからいきなり宿命を破壊する、なんて言われても……。


 師匠はうーんと唸るが、やがて口を開いた。


「いいや、前者は違うな。お前はもう十分過ぎるほど強くなった。これも特訓の賜物だな。」

「俺が強い、だって?」

「ん? ああ、だってお前、俺の攻撃平気で躱せるだろ? 実はあれ、かなりすごいことなんだぞ!」

「何でだ?」

「何で、ってそりゃああれだよ。俺とサシで戦った奴の中で、俺の攻撃をまともに躱した奴なんて、俺の覚えてる範囲だとお前を含めて3人しかおらんぞ!」


 うえぇ、そうだったのか!いや、自分でもよく躱せたな〜なんて思って関心してたけど、まさか本当にそれが凄いことだったなんて!

 何だかちょっと嬉しいな。こうやってちゃんと師匠に言ってもらえると、自分が強くなってる事を実感できる。



「話を戻すが、後者の方は完全に否定はしない。【破壊】ってのはどうにも不便なスキルでな。その名前の通り、このスキルには破壊しかできない。まあ使い方を工夫すればどうにかなるかもしれないが……」

「例えば?」

「うん……と、そうだな……。すぐに思いつくものだと……例えば【加速】や【強化】といったスキルがあるが、それらには【破壊】には出来ない芸当が出来る。【加速】なら一時的な超スピードの発揮とかだな。だが、例えばその『【破壊】には【加速】が出使えない』という概念を破壊してしまえば、【加速】を使えるようになる」

「そんな上手くいくもんなのか?」

「ああ、全くいかんな。概念を破壊するのにはかなりの体力と魔力を使うぜ。まず間違いなく一人じゃできない。それほど概念破壊ってのは大変なことなんだ」


 なるほどな……。

 なら他の方法を探した方がいいか?この方法、一見してすごいように見えるが、ちゃんと考えれば、少しお粗末だ。

 まず一人で使えない、ってのと一個ずつ概念を破壊しないといけないっていう二つの短所が目立つ。

 やはりこれは他の方法を探るべきだな。 


「他にはないのか? 方法」

「そうだな、一個ずつやるのが面倒なら最初から一気に破壊する、ってのも手だが」

「そんなことできるのか?」

「ああ、まあその分、身体にかかる負担はかなり大きくなるがな」

「なるほど」

「パッと思いつくのだとこの二つだな。まあこれだと二つに一つみたいなもんだがな!」


 この二つなら、圧倒的に後者の方が良いだろう。迷う必要はない。そう考え、その旨を師匠にすぐ伝えると、


「そうか、決心が早くて助かる。では早速だがこの後すぐ儀を執り行おう。今回は俺が大半の負担を受け持つ」

「は? この後すぐ?!」

「ああ、あれからもう二ヶ月経つし、あまり悠長に過ごしてる時間も無いからな! とっととやって、色んなスキル手に入れて、それの特訓した方がいい!」

「また特訓かよ……」

「まあそう心配するな、俺がついてるからな!儀式も絶対成功させる! それに俺も昔、同じ儀式を師匠とやったからな。まあそう心配するな!」


 ガハハ!と笑いながら励ましてくれるおっさん。

 そうか、師匠も同じことをしてたのか。

 少し安心した。


 まあこのおっさんの性格上、少し適当な所があるが、頼りになるときはとことん頼りになるからな。少し心配だが、今回はおっさん……いや、“師匠”を信じてみよう。


「じゃあ頼むぜ、“師匠”」

「おう! 任せときな! んじゃあ早速やるぞ!」


 え、もうやるのか?


「なんか準備とかはいらないのか?」

「そんなもの必要無いだろう! 早くやってスキルの習得とその訓練をどんどんするぞ!」

「えぇ……」

「えぇとは何だ! えぇとは! 大切な彼女を救うんじゃ無かったのか!?」

「当たり前だ! 今すぐにでも救いに行きたいさ! でも、師匠の訓練……割と鬼畜だからさ……」


 ついうっかり本音を言ってしまう。

 まあ実際、鬼畜も鬼畜、大鬼畜なのだ。


 朝6時に起きて10分で支度し、ディベル城の外周を3周走る(割と全力で走って一時間くらいかかる)。そしてそのあと10分の休憩を挟んだあとすぐ師匠との対人訓練だ。ちなみに夜10時まで、適度に休憩を挟みながらずっとやっている。

 その後は、2,3時間程の自主練をさせられたあと、寝ることになる。


 それをもう二ヶ月続けてきたとなれば……。


 思い返しながら、どんどん気分が沈んでいく。

 考えるのはもうやめよう…。ユキを助けるためだ。我慢我慢。


「鬼畜な方がその分成長も早くなるだろ? 早く強くなりたいお前にぴったりじゃないか!」

「そ、そうだな」

「じゃあそろそろ始めるぞ!」


 もうやるのか……。なんだか妙にモヤモヤするな。何事も無ければいいんだが。


「師匠、俺がすることは何かあるか?」

「ふむ、そうだな。お前は特に何もしなくていい。だが恐らくお前は“暴走”するだろう。心も身体もな。何せ神の決めたルールに背くんだからな。だからお前は彼女の事だけ考えてろ。大切な彼女を助けるための試練だと思え。痛くても、辛くても、悲しくても耐えろ。意識が飛ぶかもしれない。それでも、耐えて耐えて耐えまくれ。その先に力はある。男を魅せてみろ、“黒鉄刃”」


 ッ!!初めてだ。初めて名前で呼ばれた。


 クソッ…ずりぃよ師匠。

 こんな時だけカッコつけやがって……。


 だったら俺も、そんな師匠の想いに応えてみせよう。


「ああ、任せときな師匠。絶対に耐えてみせる。そしてユキを救う!」

「フハハ! その意気だ! さぁ始めよう! “破壊の儀”を!」

次の更新は早くて今日の夜、遅くても明日の昼頃には投稿しますのでよろしくです!

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