狂気の妖剣士(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。
残ったのは死獣神のトップ3である青龍、朱雀、黒猫と戦闘力だけならトップクラスで、全員を運んで逃げれるだけの力と体力がある白虎と、特捜5課として彼と戦おうとする忍と、兄の死を見届けるために残った蒼子だけとなった。
「では、行くとするか。そうだ。お前達にこれを渡していなかったな」
そう言うと忍は、思い出したように手の平サイズのモニターを手渡した。
忍いわく、動画が撮れるよう改良された襟の超小型カメラの映像を、衛星通信で見るためのものらしい。
「それで奴の技を見て、対抗策を考えろ」
「わかりました。ご武運を」
青龍が頷きながら無事を祈ってそう言うと、忍は皮肉な笑みを浮かべた。
「それは『死ねばいいのに』という意味でか?」
「いえ。いくら敵だったとはいえ、そんなひどいことは言いません」
「本当にお前は殺し屋らしくない殺し屋だな。お前の隣りにいるメスネコの方が、よっぽどそう思ってるし、殺し屋らしいだろう」
そう言われて引き合いに出された黒猫は、青龍とは対照的に、
「そこまでわかっているのなら、さっさと行ったらどうですか? そして、真っ二つにされて死んでください」
と、冷酷な言葉と視線を浴びせた。
「後に言われた方はできない相談だな。仮にそうなったとしても、犬死にする気はない」
そう言い返すと忍は、愛刀と拳銃を手に彼が待ち受ける廃倉庫の中へと入っていった。
「黒猫先輩、変に喧嘩売らなくても……」
「先に売ってきたのはあっちよ。それに、私はまだあの人達の事を許してないから。だから、さっきあの女に言ったことは、紛れもない本心よ」
「ま、大切なもんを奪った奴と、仲良う仕事なんてできるわけないわな」
「……さ、無駄口はここまで。あなた達はあの女に渡された物で見てて。私はコピー能力のために千里眼で直接見るから」
黒猫にそう促されて、青龍達は忍のカメラに映った映像を注意深く見た。
フォローを無視された朱雀は、かなり不満そうだったが。
黒猫のコピー能力に関する豆知識その2。
千里眼や黒龍の武器の適応能力など間接的で見て覚えることが難しい特殊能力の場合や、動画等を直接見ることができなかった場合、対象の目を直に見ることで脳領域や細胞に染み付いたそれらをコピーする事ができます。
彼女はそれらを用いて、前述した2つや鳳凰の治癒能力、未来の演算能力をコピーしました。




