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共闘(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 玄関を出ると、彼女は広い庭の中心で夜空を見上げていた。

 傷心していると察した龍はそっとしておこうかとも思ったが、彼女を独りにしてはいけないと声をかけると、柚はその存在に気付き、空を見上げたまま、いつから特捜5課を仲介に使うようになったのか尋ねた。


 龍は見てないのかと思ったが、コピー能力では天使の技は使えないことを聞かされて理解し、その時の経緯を詳しく話した。


「その……ごめん。言うべき、だったよね?」


「……龍君は悪くないよ。ただ、パパ達を殺したあの男が、昔と変わらずに、平然と生きて屍を生み出してる。それが許せなくて……」


「そう……だね。あの人、本当に血も涙も無い。まさに鬼だ」

 龍は初めて会った源士郎に対する率直な感想を口にした。


 それを聞きつけたのか、犬飼親子と蒼子と死獣神メンバーも出てきた。


「鬼で結構だ。犯罪者など屍にして、晒し首にするぐらいしか使い道は無い」


「源士郎さん!」


「それはそうと、話は聞かせてもらったぞ、小娘。まさかお前が、連中の生き残りの1人・黒猫とはな。かつての敵と行動を共にして、何を企んでいる?」

 源士郎の心無い一言に澪達は責めたが、柚は背中を見せたまま、


「別に企んでませんよ。黒蛇さんの想いを踏みにじりたくないから、ブラック・ナイトから出向という形で加入した。ただそれだけの話です」

 と、反論した。


「ふっ。信用できんな」


「事実ですよ。それに、彼女はあぁ言ってますが、黒蛇さんからは解雇を言い渡されています」


「解雇じゃない」

 武文がそうフォローしたのに、柚はすげなく否定した。


『話には聞いてたけど、強情すぎだわさ。で、結局どうすんの? 行くのやめんの?』

 愛花にどうするのか聞かれた柚は、仇敵と共闘する事に対する嫌悪感を露わにした。

 それを聞いた源士郎は、


「なら、残ればいい。その代わり、大阪中の特捜5課が四六時中お前を狙うことになる。お前と親しい者が巻き添えをくらうことを承知の上で残るか、自身だけ狙われながら仲間と共に仕事をするか。どちらが最善なのかよく考えて選べ」

 と、脅しをかけた。

 こんな選択を迫られたら、答えは1つしかない。柚は悩んだ末、参加することにした。

 今回、屈辱を感じたであろう柚のコピー能力について豆知識を1つ。

 コピー能力は基本的に技やデミ・ミュータントの能力をコピーできるのですが、本文でも述べた通り天使など異種族の能力は不完全どうこう関係なく、コピーすることはできません。せいぜいできて、澪の治癒能力までです。

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