青龍vs黒猫(4)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。
「ふーん。意外とタフなんだ。正直言って驚いたよ。なら……」
そう言うと黒猫は、黒龍千鱗腕を外して、鉄パイプとブレードトンファー1本を連結したものを持ったまま天高く跳躍し、
「この刃槍で貫いてあげる。満身創痍な……あなたをね!」
と、言いながら、急降下突きをしようと突き出した。
青龍はボロボロの体に鞭打ってドラコスラッシャーで懸命に止めたが、彼女の女子とは思えないパワーに押されて、徐々に後退させられていった。
片や黒猫も、このままでは埒が明かない上、刃槍を払われたりでもしたら形勢逆転してしまうと恐れ、焦りが見え始めていた。
と、その時、青龍の足下にお誂え向きな武器があるのが見え、刃槍から手を離し、
「へ?」
と、素っ頓狂な声を出す青龍の上に落下して、馬乗り状態になった。
「『重い』なんて言わないでね。レディーに失礼だから」
「わかってるよ。それに重くないし。けど、傷口に君のドラコスラッシャーが……」
「当たってて痛い?」
そう聞かれた青龍は正直に頷いたが、黒猫は彼の事など気にせず、先程みつけた電動ドリルを手に取った。
「そう。でも、それぐらいで文句を言わないで。これから……もっと痛い目に遭うんだから」
彼女の言動と状況から青龍が窮地に陥っていると思った武文や雲雀らは、青龍に早く彼女をどけるよう警告した。
もちろん、黒猫がそんなスキなど与えるはずがなく、ドリルの先端を青龍の額の中心に向け、先端を回転させた。
「じゃあね、龍君。そして、見ててね。黒龍さん、鴉さん、パパ、ママ! パパ達の命とブラック・ナイトを奪った元凶! 青龍が死ぬ様を! あはははは、ははははは!」
勝利を目前に狂ったような高笑いをする黒猫に、大牙や宙らは狂気を感じた。
黒猫が青龍を殺すために選んだ武器であるドリルは、彼女が拷問する時に多用している得物です。




