青龍vs黒猫(1)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。
その話題の中心人物の1人である青龍は、彼女の攻撃に遭いながらもなんとかグラウンドに到着。
ラウンド2に移ろうとしたが、先に向かったはずの黒猫がどこにもいない。
背後から奇襲するのか? そう思い、周囲を警戒していると、何故か開いていたサッカー部室兼体育倉庫から様々な種類の武器が次々と飛んできた。
「うわっ! びっくりした……って、もしかして、これ全部……」
全てよけてそう言ってると、黒龍千鱗腕を装備した黒猫が体育倉庫から出てきた。
「そう。私の武器よ。ここに隠してたの」
「こんなに使いこなせるの?」
「さっきも言ったはずよ。黒龍さんの武器適応能力もあるって。だから、心配無用よ。むしろ、自分の身の心配でもしたら?」
そう言うと黒猫は青龍に襲いかかり、2人は再びバトルを始めた。
と、そうこうしている間に、2人を追いかけてきた大牙らとペガサスが到着。
すぐさまペガサスはグラウンドに結界を張った。
その作業中に、青龍と黒猫は雲雀らの存在を目にした。
「え!? 雲雀さん達なんで来たの!? 危ないよ!」
「承知の上や! てか、真っ昼間からバトっとる奴に言われたないわ!」
その言葉にごもっともと思った青龍は、黒猫の攻撃をかわした。
一方で宙と美夜も黒猫が柚だと改めて確信した。
「てか、やっぱ柚じゃん! やめなよ、あんた!」
「そうだぞ。ネコ! こんな事もうやめろっ!」
「2人共、黙ってて。死にたくなければ、ね」
冷たい口調で突き放す彼女の豹変ぶりに、宙も美夜も動揺した。
その気持ちを察した未来は、2人に屋上のことや黒猫の正体について説明したと彼女に語った。
「……それでも2人は、あなたと龍君のことを心配してここに来たの! 美夜さんは裏表がある人が嫌いで、宙君は好かれていないことを知って落ち込んでたのに、それでもあなたの事を想って来たの! なのに、そんな言い方……」
「そっちがどう思っていようと、関係無い。友達でもない赤の他人がどう思い、何と言おうと心に響かない」
一方的な絶交宣言のような冷酷な言葉に、怒った美夜や雲雀が殴りに行こうとしたが、それを代行するように青龍が黒猫を攻撃し、距離を取った。
「まだそんなこと言ってるの!? 猫宮さん! 2人は君を心配して、危険を承知で来たんだよ!? それぐらい2人にとって、君はかけがえのない幼なじみなんだ! 君がどれだけ否定しても、黒田君と黒川さんがその想いを捨てない限り、君達の縁は、友情は! 切っても切れないんだっ!」
「そっちの意見を押しつけないでくれる? だったらいいよ。私なりの方法で、その糸を断ち切るから」
青龍らの主張をうざったく感じた黒猫はそう言うと、宙と美夜を殺そうと彼らめがけて駆け出した。
ここから本番です。
2人の激闘とそれを見守る未来と宙達の心境を、刮目して見て下さい。




