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赤い目の真実(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 その頃、あの一件のあと未来と約束し、悪人専門の殺し屋になった龍はというと、雲雀と澪と美夜と柚と宙と仲良く昼食を食べていた。

 学生の食事中の会話は基本的に他愛も無いが、それでも龍と宙は、ガールズトークの邪魔をしないように、男同士の恋バナを小声でしていた。


「で、宙君あれから、猫宮さんとはどうなの?」


「おいおい。応援ムードかよ。お前だってあいつのこと狙ってんだろ?」


「それは……」


「まぁ、そんなお前に、恋のライバルとして1つだけ忠告しとくわ」

 そう言うと宙はキョトンとする龍に、柚に関する注意事項を説明した。


 冬休みが終わる前日に彼女を家に泊めた宙は、当たり前の如くまた性行為に及んだのだが、本気を出した柚に無限に求められ続け、夜が明けた頃にはすっかり干からび、おまけに風邪までこじらせてしまったらしい。


「そ、それは、大変だったね……」


「あぁ。だから龍。お前も気ぃ付けろ。あいつ、あぁ見えて底無しだぞ」

 龍はそう言われて、自分も干物になるのではと少しゾッとした。


 と、その時、2人の近くから別の寒気を感じた。

 だいたいの予想はつくものの、ゆっくりと顔を向けると、さっきまで楽しそうに話していた女子3人が、こちらを冷たい目で見ていた。

 知らぬ間に宙の声量が大きくなっていたせいで、会話の内容が丸聞こえになっていたのである。


「あんたらねぇ。ご飯食べてんだから、もうちょっと話題選んで喋りなよ」


「そうです。特に宙さん。龍さんにあまり下品な話題を振らないで下さい。悪影響です」

 普段の行いのせいか、完全に宙が悪者扱いされていた。扱いも何もその通りではあるが。

 そんな下ネタ大好き少年に話のネタにされた柚はというと、性癖を暴露されたのに全く怒らず、それどころか、


「もー、宙くぅん。みんなの前で恥ずかしいよぉ」

 と、弁当代わりの鍋焼きうどんを食べていた箸を片手に、照れる始末だった。


 これには、彼女の怒りに乗じて宙を糾弾しようとしていた美夜らも戦意を挫かれ、呆れのため息をついた。

 柚は麺類をこよなく愛しています。

 その中でも特に鍋焼きうどんが大好きで、学校に持参しては昼休みになると、どこかで温めてて当たり前のように食べています。

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