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リスタート(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 その数分後。ペガサスと戦っていた黒蛇は、部下から黒柴死亡の報告を聞かされた。


「そうか……彼が死んだとあっては作戦続行は不可能。総員撤退せよ」

 そう命令すると、部下によって影部隊に命令が伝えられ、朔馬と茅を含めた影は撤退した。


「では、私も失礼させてもらいます。今回のところはあなた方の勝ちです」

 そう言って去ろうとする黒蛇をペガサスは呼び止めた。


「待って下さい。1つだけ、どうしても解せないことがあるんですが」


「何でしょうか?」


「あなた程の頭脳と剣の腕があれば、司令になっていてもおかしくないはず。なのに、どうして参謀に甘んじているのですか?」

 ペガサスの質問に対し、黒蛇は真摯に答えた。


 確かに、彼は一時司令になろうと考えたこともあった。

 だが、両親を失った蠍を支えている内に、司令になることより、両親を亡くした彼女を幸せにすることを望むようになっていた。


「黒蛇さん。そこまで蠍って人のことを……」

 蠍への忠誠心の根源を知った鳳凰がそう言うと、黒蛇は無駄話をしてしまったと恥じるように微笑み退散した。


 その去り際を見たペガサスは、


「……黒蛇さん。あなたにその名は相応しくない。あなたはずる賢い蛇などではなく、1人の立派な紳士。僕が好感を持てる数少ない人間でしたよ」

 と、残念そうに呟き、校舎の修繕を始めた。



 迷惑をかけたことを死獣神メンバーに謝った龍は、雲雀から強烈なエルボーをもらったことで許してもらい、諸々の後片付けもペガサスが済ませたことで、この事件は一件落着した。


 どっと疲れが溜まった大牙らは家路につき、龍と未来も仲良く下校しようとしたが、2人は話があるとペガサスに止められた。


 その話というのは例のリヴァイヴについてである。

 リヴァイヴは復活魔法ではあるが万能魔法ではなく、対象者だけを蘇らせる代物ではない。

 それはつまり、どういうことかというと、同時期に寿命以外で死んだ者も蘇生させてしまう可能性があるということである。


 なので、今日中に死ぬと運命付けられた正人は蘇生させることができず、その反面……


「未来さんが死んだのと同じ日に死んだ者。すなわち、黒龍や鴉、本部にいたブラック・ナイトの面々も復活してる可能性がある。それでも君達は、過去の惨劇を再び乗り越える自信がある?」

 ペガサスから尋ねられた重い現実に、龍と未来は迷わず首を縦に振った。


「そのために、こうしてまた出会えたんだから」

 青龍暴走前までの2人だったら出ない答えを聞いたペガサスは、満足そうに微笑み、彼らの未来が明るいものになるのを願った。


 そう。未来の人生も、2人の関係も今日からリスタートしたのだ。

 その明るい道のりを阻む不届き者がいるとするなら、やはり、闇夜の使者だけだろう…………

 ペガサスがやった諸々の後片付けというのは、修繕の他に、死体処理や忍を通じての箝口令の要請、事件を目撃した男子バスケ部部長や通行人らの記憶改変等です。

 尚、次回まで未来は、ペガサスが持っている秘密基地に住むことになります。

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