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死獣神~骨の書~  作者: 天馬光
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リセット(6)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 青龍の暴走は、未来が死んだことの悲憤を殺人による快楽で忘れるためであり、全てのきっかけは、あのブラック・ナイトとの一件にある。

 残酷な現実を知らされた未来は愕然とし、ひどく落ち込んだ。

 自分のせいで初恋の人の心が壊れ、狂気の殺人者にしてしまったと知れば、誰だってそうなる。


「私のせいで……龍君が……」


「ごめんなさい。あなたを責めるつもりで言ったわけじゃないんです。ただ……」


「……いいの。自分から聞いたことだから、覚悟はしてた」

 心が強い未来は自らの力で立ち直ると、2人に礼を述べ、ペガサスを呼んだ。


「ペガサス君。龍君の記憶を封じたり改変したら、暴走は止まる?」

 未来の質問にペガサスは正直に否定した。たとえ、前回のように落ち着きを取り戻したとしても、それは一過性。根本的解決にはならないからだ。


「なら、荒療治だけど一か八か賭けてもいい?」


「一か八かの荒療治って……まさか!」

 未来の考えがわかった玄武は全力でそれを止めた。


 彼女がやろうとしていること。それは、未来自身による説得だった。

 確かに成功すれば、未来を失ったショックから完全に立ち直り、暴走することが無くなるかもしれない。

 しかし、一歩間違えれば、龍自身の手によって彼女は再び死ぬことになる。

 朱雀達は思い留まるよう説いたが、未来の意志は固かった。


「ううん。こうでもしないと、龍君は一生過去の影に怯えることになる。それを救えるのは、龍君をその道に引きずり込んだ私しかいない! だからお願い。やらせて。一度失った命、龍君のために使いたいの!」

 未来の懇願を聞いた玄武とペガサスは、彼女の気持ちにを尊重し、折れた。


「いいの!? 玄田君!」


「えぇ。少々危険ですけど、それが最善のようなので」


「ありがとう」


「礼を言うのは、龍君の暴走を止めて侵入者をなんとかしてからだよ。それまでは僕ら死獣神が全力で君を守る」

 その言葉に感謝する未来を見た玄武は微笑んで、朱雀らの方を向き、


「総員、任務追加。龍君を元に戻すまで未来さんを護衛せよ! なんとしても、彼女を龍君の所まで導くんだ!」

 と、命令した。それを受けた白虎らに異論は無く、喜んで引き受けた。


 彼らが一丸となって協力してくれることを嬉しく思った未来は、青龍のことを一心に考えて捜索に加わった。

 新たなヒロインである未来は、他のヒロイン達よりも芯が強く、誰よりも正しい、言わば正統派ヒロインだと思います。

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