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死獣神~骨の書~  作者: 天馬光
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リセット(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 と、そこへ、1人の生徒が話しかけてきた。


「みんな。そこで何してるの?」

 何遍も聞いてるその声に、嫌な予感がした未来と死獣神メンバーが振り向くと、そこには運悪く平次と龍がいた。


「青山君! どうしてここに!? 保健室にいたんじゃ……」


「いやぁ、保健の先生が『もう大丈夫』と言ってたんで、お忙しい志村先生の代わりに教室に送るところだったんですよ。元々自分が手伝わせたせいでこうなりましたから。すまねぇな、ボウズ」


「いえ、こちらこそすみません。ご心配をおかけして」

 平次に申し訳無さそうに謝るいつもの龍に対し、未来達は最悪のタイミングでの彼の登場に、戦々恐々していた。


「ん? ねぇみんな、その子は?」

 予想通りの質問に、雲雀達は一瞬まごついたが、咄嗟に、朝のとは別の依頼人ということで誤魔化した。

 が、それは単なる時間稼ぎでしかなく、龍は程なくして彼女に違和感を感じた。

 無理もない。記憶の奥底に忘れているとはいえ、未来は龍にとって初恋の相手である。覚えていない方がおかしい。


 まじまじと顔を見たことでこの少女が未来だと龍がわかった瞬間、ついに恐れていたことが起こってしまった。

 1ヶ月前と同じように記憶が蘇った龍は、一気に青龍になり、暴走モードに入ってしまったのである。


「殺さなきゃ。リセットしなきゃ。殺さなきゃ。リセットしなきゃ……」


「龍……君?」


「叶さん。それと、用務員さん。離れて。でないと危ないよ」

 武文の言葉に未来がキョトンとしたその時、青龍が暴れ出した。


 青龍が本気で暴れたら、校舎や人に甚大な被害が出かねない。そう考えた雲雀と翔馬と大牙は、前回同様殴って気絶させようとしたが、あの時と違ってここはだだっ広い学校。青龍は3人の攻撃を回避し、校舎内の気配を頼りに超人的な跳躍力で、窓から3階に入っていった。


「くそっ! 逃がしてもうた!」


「叶先輩達は!?」

 大牙はそう聞きながら未来らがいた方を向くと、平次は一目散に逃げたらしくいなかったが、未来は無傷でその場にいた。それを確認した大牙はひとまず安堵した。


「けど、マズいぞ武文。まだ校内には居残りや部活で残ってる生徒がいるってのに」


「だね。ともかく、龍君を追おう。話はそれからだ」

 武文の言葉に同意した死獣神メンバーは、龍を追って校舎内に入った。

 仲間を止めるため彼を捜す雲雀達。それに同行した未来は、龍の暴走に誰よりも戸惑っていた。


 そして、その一部始終をある場所で見ていた闇は、ある者に電話をかけ、指示を出していた。

 恐れていた通り、青龍が暴走してしまいました。

 それを見て動き出した例の闇。それだけでもう波乱の予感がします。

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