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死獣神~骨の書~  作者: 天馬光
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リセット(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の転機の物語。

 終業後。皆が下校しようとする中、雲雀達は何か知ってるであろう翔馬と未来を呼び、体育館前の中庭で話を聞かせてもらうことにした。


「翔馬君から聞いたよ。みんな、私のことを知ってるんだよね?」


「うん。そっちも僕らのことを知ってるのなら、話が早い。翔馬君。彼女が何故ここにいるのか。納得がいく説明をしてもらうよ」

 武文にそう言われた翔馬は、観念したように真相を語り始めた。


 結論から言うと、未来を復活させたのはやっぱりペガサスだった。

 彼は雲雀の店で龍の過去を知ったあと、その足で中四条小学校の体育館に侵入し、そこで復活魔法・リヴァイヴを使用。彼の壊れた心を癒やす存在として、未来を復活させたのだ。

 無論、それだけではただの小学2年生なので、この1ヶ月の間に神様協力の下、天国の急成長処置でデミ・ミュータントの能力を保持したまま14歳まで成長させ、授業についていけるよう準備し、万全の態勢で転入できるようにしていた、というわけだ。


「……まぁ、いずれタネがバレちまうだろうけど、とりあえずは混乱を防ぐために、未来ちゃんには悪いが『あの事件で生き残り、匿われていた』ってことにしてもらってる。ま、何はともあれ、これで元通り。めでたしめでた……」


「めでたいことあるか! ゲログソがぁっ!」

 雲雀はそう怒鳴り、説明を終わらせ万事解決みたいな顔をしている翔馬に、問答無用の飛び膝蹴りをめり込ませた。


「いつつ……何すんだよ雲雀ちゃ~ん」


「あんたなぁ、人蘇らせるとか非常識にもほどがあるやろ! あんたの行動のせいで、うちらのクラス大パニックや! そんぐらいの想像力働かされへんのか、ドアホッ!」

 そう言い翔馬の胸ぐらを掴んで振り回す雲雀の言動に、未来は自分のせいと思い込み俯く。


「あ、その、未来さんのせいじゃありませんよ」


「せやせや。悪いんは、うちらや正人らになーんも言わずにあんたを復活させたこのアホや。せやからあんたは気にせんでえぇ。もう1度もらった人生、存分に満喫し」


「……ありがとう。2人共、優しいね」

 未来がそう言うと、雲雀達は元気が戻ったと思いほっとした。

 そんな彼女らに代わって、サイトオーナーの武文は苦言を呈する。


「けど、赤羽さんの言う通りだよ。龍君が彼女と鉢合わせして、暴走したらどうする気?」


「そこなんだよな、問題は……寝てる間に何とかできりゃいいんだが……」

 ばつが悪そうにそう言う翔馬の運任せっぷりに、武文らは呆れ果てた。

 『誕の書』のラストでペガサスがやった自分にしかできないことというのが、未来の復活です。

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