裏
「半田くんケンちゃんおそいね」天川が隣にいた。状況がわからない。
「やっぱ早すぎたのが悪かったのかな?でもコミケってこれくらいだよね」
そうだ。僕は秋葉原駅で真也たちと待ち合わせを。
「どうした半田くん?顔色悪いよ」
「いや大丈夫」
「おーいケント、鈴音」真也がこちらに歩いてくる。
「アァァ・・・」真也を目の前にした瞬間あの光景がフラッシュバックしてくる。
そう僕は人を殺したんだ。もう戻れないんだ。時を戻せてもそれは僕の中からは消えてくれない。「どうした、ケント?」
「僕に話しかけるな」一目散に走り出した。
血まみれの手が目に飛び込んできた。誰の手だ?僕の手だ。違う僕はやってない僕は悪くない人なんて殺してないんだ。心の中で叫んだ。誰かわかってよ。お願いだよ。気がつけばあの脇道の前にいた。自然と足が脇道の中へ向いた。
「半田くん!」脇道の入り口に天川が立っていた。
「なんで・・・」
「君が時間を戻したんだね」天川がそう口に出す。
「天川こそなんでここを知っているの?」と僕は尋ねた。
「ここのことは君よりも前から知っているよ」天川はそう答えた。
「知ってる?代価は人の命でなくてもいいの。君は真也を代価としたみたいだけど」
「どういう意味?」
「私は、自分の命を代価にしたの」
「それで何を叶えたかったの?」
「終わらない人の不幸」天川はニヤリと笑った。
「私はあの店のラプラスに願ったの終わらない人の不幸を見せてって。
私は自分の命を差し出した。あなたは真也を殺して相当病んだみたいね」
その時の笑みは今までになく悍ましいものだった。
「そんなことのために君は・・・」ケントは膝から崩れ落ちた。
「そんなことってことはないよ。私はこうして生き返る保証があったわけだし。
何より滑稽で最高だったよ。君が今こうして絶望している姿もなかなかのものだけど。
真也も私を生き返らせるために必死で…もぅだから好きなの」天川はまたニヤリと笑った。
僕は何が何がわからなくてもう生きている心地がしなかった。
「アァァァァァァァァァァァ」苦しさを感じられないようにできる限り壊れた。
目の前には血が広がっている。もはや僕のものなのか真也のものなのかわからない。
全て天川の所為だというのか。何かの間違えだ。何かの間違えだ。
何かの間違えだ。何かの間違えだ。
天川の笑い声が聞こえる。こんな僕を笑っている。