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ラプラスの証明  作者: アルブレヒト
3/5

「ケント?おいケント、しっかりしろよ。鈴音がもう10分くらいで着くみたいだぜ」

「あ・・・そうなの?」

「どうした?顔色悪いぞ?」

「いや何でもない」何か忘れているような気がする。思い出せない。

「朝起きるのが早すぎたか・・・」

「うん。そうかも」

「二人ともお待たせ。ジュース買って来たよ」

「また片方だけ変なのかよ・・・」真也が言う。

「変なのじゃないよ珍しいやつだよ」天川が”がぶ飲みブルーチーズ味とコーラ”を差し出す。

無言でコーラを指差す二人。

「恒例の行きますか・・・」

結局買ったのはケント。

「はい、真也。じっくりと味わえよ」と真也にがぶ飲みブルーチーズ味を差し出すケンヤ。

「うぇ、これ不味すぎるだろ・・・」実は案外美味しい。

「今度さ友達とお店へ行ってくるんだけど。隠れ家みたいな店だって。秋葉にあるの」

「へぇ〜どんな店なんだい?」真也が尋ねた。

「うーんとね。わからないけど隠れ家みたいな店なんだって。」

「そう言うところ行かないほうがいいってなんか怪しいよ」

「でも、その子この間大事な人を亡くしたみたいで、相談に乗って欲しいことがあるんだって」

「さぁさぁ、こんな暗い話はもうおしまい!!コミケコミケ♪」

天川は少しおちゃらけるように話を濁した。

「どうしたのケンちゃん?」天川がケントを気にかける。頭に手を当てて痛そうにしているのだ。「なんでもないよ二人とも」ケントはそう答えた。

コミケは大盛況だった。

「じゃぁね二人とも」

「じゃぁな」

「またね」

1週間後、天川が交通事故で亡くなったことを真也から告げられた。涙がでた。悲しかった。

でも真也はもっと悲しいだろう。知った途端に急に頭が痛くなった。頭が焼けるような痛みを覚えた。

そして・・・思い出した。僕はなんてことを真也を殺したなんて。そうだ、あの店で願いを叶えて・・・天川が死んだんだ。死以外の代償で人を・・・いやダメだ。考えちゃダメだ。

もうこんなことあっちゃダメだ誰も人殺すなんてことは・・・これが正しい道なんだよ。きっと。

しばらくして、真也はケントをアニメイトに誘った。

「ヤァいいもん買ったな」真也が秋葉の街を歩きながら言う。

「本当だね。」そうケントも言った。

そしてあの道に差し掛かる。

「なぁケント、こんなところに道なんかあったっけ?」

「え、前からあったけど」ケントはそう答えた。

「怪しい。なかったような気がするんだよな・・・ちょっと行ってみようぜ」

「ちょ・・おい待て真也」真也は歩いて行ってしまった。

「こんなところ絶対ろくなもんないよ」そうケントは言った。

「なぁケント、これ読めるか?」真也があの店の看板を指差しながら尋ねた。

「帰ろうぜ。真也もう飯の時間だよ」

「なぁケント。お前、ここ知ってるだろ?」

「いや別に」

「なんだおい言ってみろ。ストリップ劇場でもあるんだろう!」

「いや、なんだよその古風なネタは・・・」

”からんからん”真也が扉を開けた。

「いらっしゃい」撓れた声のおばあさんがいた。いつ見てもどう見ても異質である。

「なぁ真也、帰ろうぜ」

「おいケント」真也の声が変わった。

「一度死んでくれないか?」真也が尋ねる。

「真也・・・なんでそのことを・・・」

真也はポケットからナイフを取り出して、ケントに斬りかかった。

ケントは腰が抜けて何かないかを探った。

”バンッ”銃声と共に真也が倒れた。

暗い中、床が血塗られていくことがわかった。真也の血だ。

「アァァァァァァァァァァァ」真也の死に顔を見た僕は叫んだ。

手に届いた血。靴とズボンを染めた血、頭の中まで血に染まってしまったように。

何も考えられない。僕は壊れてしまったのか?

「真也?真也?真也?」僕は彼の首をナイフで切って・・・途中でそんな気力もなくなり

斬りかけの真也の頭をそっと戻した。そしてなぜか冷静に戻った。

「時を巻き戻して。」

「代価はいただいたよ。叶えよう」撓れた声でおばあさんが言うと。

また僕は落ちた長い間。落ちた。


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