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できるかな

12/15 L1の距離表記を修正しました

 わざわざ頭にぶつかってきた、不躾なペットボトルは持って帰ってから飲もう。


 宇宙線もそうは浴びてないだろうけど、不安なら宇宙線吸着分離機にかければいいし。


 やれることを確認し直すために、休息所まで戻る。


 持って行けるものは持って行きたいし、今あるもので出来ることはしておこう。


「そういや、通信とかそういった情報なんかに変化や何かあったか?」


『現在に至るまで、新たな情報の更新はされておりません。 電波のよいところへ移動するか、通信設備の確認を行ってください』


「だよなー。 そう言ってもただの作業員に電波をどうこうするなんて無理だし・・・」


 電波は確かに無理だけど。


「MOMOに質問というか、確認したい。 電波以外の方法で、地球ないしは月と交信する手段には、どんなものがある?」


 直ぐに答が帰ってくる。


『電波以外に離れた位置にある他者との交信を試みるには、三つの方法があります。 一つには音波による交信です。 古くからある手段ですが、宇宙空間においては、音を伝える手段である空気が存在しないため、この方法は使えません。 二つ目は、有線接続による交信です。 金属製のコード等で、送信及び受信側が同様の設備を用意できるのであれば、二者の間に回線を確立して大昔の電話という手段に似た形で、交信を行うことが出来ますが、この場合には両者の間を有線で繋ぐことの出来る、最低でも月までの三十二万キロメートルにおよぶコードが必要になります。 三つ目の手段には、マイクロ波あるいは発光信号による通信手段があります。 どちらも宇宙空間での通信には有効ですが、マイクロ波の場合にはデブリや太陽風による出力減衰がネックになり、発光信号では受信側が十分に感知できるような、強い光源を用意する必要があります』


 説明が長かったけど、何となくわかった。


 デブリをどうにかするか、強い光を用意すれば通信が出来るのか?


「その中だと強い光を出すものを用意すれば通信が出来そうだけど、どれくらいの光量が必要だろう?」


 大容量高速メモリの性能を背景に、MOMOが直ぐに計算して答える。


『月及び地球軌道上の衛星に対しては、大気による屈折が無いため、受信側へ届く光が1ルクス以上になる光源を用意できるのであれば、どのような装置を用いても、発光信号の設定自体は可能です。 ただし受光側がこちらの意図を察するためには、しっかりとした光源の確保が必須であると言えます。 そのためにはLEDハンドライトのようなサイズの小さな光源ではなく、もっと大きく明るい発光設備を用意することが望ましいです。 おおよそで言うのでしたら、最低限でも自動車用のライトに相当する明かりとして、光源が1万カンデラか、それ以上のものがあると良いでしょう』


 そうか、自動車用のライトがあればいけるのか。


『さらに言えば、より早くの発見を促すために、複数の光源を用意することをオススメします。 電波の受信でも同じですが、発信する情報が弱い場合には受信側により高性能の設備が必要になり、コロナ側からの信号を取りこぼすおそれがあります。 加えてコロナの軌道が不安定な今は、角度によっては月にも地球にも光が届かない場面も出てきます』


 ああ、それはわかる。


 一カ所だけから何か信号を出しても、コロナが変な方向に回ってたり、窪地で電気をつけてしまって、相手から見えなかったら意味無いもんな。


 だとすると月の方向に向ける光源だけでも、二つ以上はあった方がいいかな。


「光源を確保して、月にむけて設置すれば通信は出来るってことだな。 そういう通信には何か技術とか必要なものとか道具はあるの?」


『いくつかのアプリが存在します。 リモコンなどにも使われる信号変換アプリから、古いシステムですが文章をモールス信号へと変換するアプリも存在します』


 おし、これで通信とかは出来そうだ。


『実行するのでしたら、ライトをパソコンなどと接続する必要があります』


 ライトとパソコンね。


 パソコンはあっても、それと繋げるライトとコードがねぇよどちくしょう!

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