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労働中

 臭い。


 ンメェー


 草やら何やらいちいち人力で動かすのが疲れる。


 メヘヘヘェェェ。


 近寄るなよ来るなよ餌なんか持ってねぇ!


 メェェェェェェ。


「何とかしてよこのヤギ!」


「ぁははは、気に入られてんだよ。 よろしくしてやんな」


 ここ宇宙だよな。


 コロニーだよな。


 俺もともとは坑内作業員として来てたんだよな。


 何でヤギの世話してんだよ俺!


「おらそこの二人! ちんたらとボロの始末してないでとっとと片づけちまいな!」


 こき使われてんな、宇宙慈愛の会のやつら。


 まぁ破壊活動に来ておきながら返り討ちにあってるんだから世話無いか。


 何つったけかな名前。


 ハッチポッチじゃなくてハッカポットじゃなくて、でもなんかそんな響きの名前。


 あ、八田と堀田だ。


 コロナを乗っ取って地球にぶつけようとしてたってらしいけど、乗っ取る前にここの主のダイアナに制圧されたんだ。


 っていうか俺もだけど、入ってすぐさまここのヤギ牧場から出る臭いにやられた。


 臭すぎるんだよここ。


 ダイアナに言わせりゃ下水よりはましだとか。


 空気清浄機と脱臭設備は無いのかよ!


 ンメェー


「引っ付くなー!」


「ホントに好かれてるねー。 このままウチで働くか!」


「そんな気無ーし! 普通に地球に帰る気だからそういう勧誘とか無しで! ホント無しで!」


「まぁ、気が変わったらいつでも言いな。 案外地球に帰って就職先探すよりもいい条件で働けるかもしれないよ」


「この肉体労働の何がいい条件なんだか・・・」


「まーしんどいこと多いけど、天然モノの肉やミルクも食べれたりするよ」


「え? 肉! 大豆とかから作った合成肉じゃなくて天然モノ!? いや地球から持ってきた高級品でスプーンにちょっとしかないとかそんなんだろ!」


「えー、そんなんじゃないから。 食べるときにはそこの子たちバラすから」


 ?


 え?


 メー。


「バラす?」


「ヤギ肉食べたことない?」


 肉って、そうやって調達するのかよ・・・。

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