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ようこそ

 ピーマンやゴーヤ、春菊にとにかく臭いの強い青い野菜をミキサーに混ぜてドリアンとかキッツいのも加えて後なんか犬とかの何かを混ぜたようなムサい臭いがぅおおぇぇ。


 ぅおおぇぇ。


 んがぁ。


 ぼるぅぇぇ。


 ぇええ。


 ばすっ。


「んとにまぁ、最近の子は柔いというかなんというか」


 粘着弾を使われて手がふさがってぅぇぇ。


 臭いで息が苦し。


 あんまりにもひどい臭いで吐き戻しそう。


 頭の上から声がするけどもうね、それどころじゃねぇ。


 足引っ張るな!


 ヘルメットも閉められねぇ・・・。


 あー・・・。


 ぁー。



 

「さてと、色々聞かせてもらおうかな。 まずは名前から」


「大島クルス天馬。 作業員だ」


「ふーん。 あんたがエルの言ってたやつか。 じゃ、宇宙慈愛の会とは無関係そうだね」


 小屋というか物置というか中途半端に生活感のある部屋で取り調べを受けている。


「アタシはダイアナ。 ここのブロックの担当者だ。 にしてもまぁアンタとかあそこに転がってる宇宙慈愛の会のあいつらとか、ここに来ると途端にえづくとは情けないね」


「臭すぎるんだよ! ここの部屋もちょっとマシだってだけでまだ臭いキツイほうだから!」


 ホントにまだ臭い。


 自分の見えてる範囲で二人ぐらい床に転がされてるんだけど、そいつらのうちの一人は洗面器みたいなのに顔を突っ込んでる。


 もう一人はもしかして気絶してんのか?


「だとしても慣れてもらうよ。 締め上げて聞き出したけど、慈愛の会の奴らのせいでこっちの進路や時間が狂ってるんだ。 あんた自身も簡単にここから離れられない以上、ちったぁ役に立ってもらうからね」


 労働決定かよ。


 こんな臭いところでどんなことをさせられるんだか。


「そうさね、うまくいけば一週間ぐらいで何らかの外部からの動きがあるさ。 その間だけでも働いてもらうよ。 まぁ三食きっちり出してやるし、ここに居る限りは」


 なんてこった。


 空気と住居の確保はできたと喜びたいし飯もあるならうれしい限りだけど、この臭いの中で生活するのかー・・・。


「心配しなくても二三日もすればこの臭いにも慣れるさ。 なにせここほど地球に近い環境はないからね」


 そう言ってダイアナは窓の外を指さして笑った。


「改めてご案内しようか。 NSCがじっくり作り上げてきたコロナ内部の人工牧場『エデン』をね」


 俺には臭い泥まみれの獣の遊び場にしか見えなかった。

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