MOMOに確認。
コロナが月に到着するまで四千百六十六日って年に換算すると・・・ええぇっと十一年ちょっとか?
月に向かっているならそのまま引っ付いていれば、楽して着けるかとも思ったけど無理だ。
到着前に酸素が尽きて死ぬ。
・・・。
スライダーも無理だな。
たぶん移動途中に酸素とガス、バッテリーが尽きる。
んー。
逆算してみたらどうなるだろう?
「MOMOに確認。 これから月まで四時間以内に到着できるようにするためには、どれくらいの速度で移動する必要があるか計算せよ」
『計算しました。 時速換算で八万キロ相当の速度で移動する必要があります』
「・・・それマッハに直すとどれくらい?」
『計算しました。 マッハ六十五相当の速度になります』
「出せるか!」
AIにツッコんじまったけど、どうやったらそんだけの速度が出せるってんだ・・・。
出しても加速時のGで潰れちまうわ。
やっぱり宇宙服だけで行こうとするのは無理だ。
シャトルなりで加速できる装置と長時間かかっても安全に移動できる空間が無いと。
となるとやっぱり、コロナのどこかから資材調達でもして移動手段を確保するってなことになるが、そもそものシャトルとかが無ぇ。
他に仕えそうなもの。
コンテナはどうだ?
岩居のおっさんが入ってたあのコンテナに部屋みたいなのを作って、外側に何かブースターとか付けたら?
でもブースターになりそうなものが今使ってるスライダーだけしか無い。
コンテナ取りに行くっても、エルが何かちょっかい出して来たら厄介だ・・・。
でもまずは宇宙服を脱げるところを探した方がいいか。
どう動くにしても何かしらの拠点はいるし。
で、結局どこにそんな都合のいい空間があるかどうが問題だ。
あの時見つけたスライダー待機室だってたまたま光・・・。
光!
光を探せばまた別の空間が見つかるかも!
あるいは金属反応か何かを探せば!
「MOMOに確認。 カメラに確認できる範囲でコロナの表面にある人工の光源もしくは金属を検索」
『検索を開始します。 カメラをコロナに向けてください』
うまいとこ行ってくれよ。
『検索終了しました。 ゼロ件の光源を確認しました』
クソ!
そうはうまくいかないか。
「MOMOに確認。 コロナ表面を移動するので、先ほどと同様に人工の光源もしくは金属を検索。 発見した場合そこまでのナビを実行」
『了解しました。 検索を開始します』
さぁ、何か見つけてくれよ。