とりあえず離れよう
「ふぇっくしょい!!」
オムツ一丁、シャツ一枚だとさすがに寒い。
岩居のおっさん・・・は、全然大丈夫っぽい。
寒いの強いのか?
コンテナの中でヒーター切ってても生きてたし。
だけども半裸のおっさんと並んで走るって、まずありえない状況だよな。
まぁ、深く考えないでおこう。
「でぇ! もうすぐ寝床のところに着くけど、これからどうすんの!?」
「ここから出る」
「はぁ?」
「このまま国防軍の施設とか隠し通路や部屋とか見て回るのもありっちゃありだけど、あのエルってやつが何させたいのか何したいのかが分かんねぇ! んだからいっぺん距離を置く。 んでもって改めて月なり地球なりへの帰還や救援を求める」
「それとここ出るのとどういう関係が?」
「道具とか食い物とかが、ここにあるだけで全部だと思うか?」
「・・・え? それって」
「探せば他にも国防軍の施設出入り口とかがあるだろうってことさ」
おお!
なんかいいアイデアっぽい。
「えっとで、具体的には? 宇宙服と一緒に色々置いてきちゃったから、別の国防軍の施設に行くっても・・・」
粘着剤付きの網のせいで、色々置いてく羽目に・・・。
「スライダーと予備の宇宙服を使う。 結構行き当たりばったりになるけどな」
「え? 予備のって・・・え? 外から!?」
「おう、着替えたら早速行くぞ!」
え?
なんなの?
決断早くね?
とか言ってたら寝床のスライダー待機室のとこまで戻ってた。
何にも妨害とか無かったのはエルがドロイドの回収してたからか、俺たちのことをほっとこうと思ったからかな。
邪魔しないならそれでいいや。
中に入ろ。
「ちょっとまっててな。 いまシャツ着るから」
うん、まっとく。
おっさんの着替え見てもうれしくないけど、ほかにすること無さそうだしなー。
あ、でもここを出てほかのところに行くなら、いろいろ持って行った方がいいか?
っていうと何もって行こう。
食べ物と飲み物はあった方がいいか。
この部屋の中にあるものだと、他に持っていけそうなものは無いか?
一応着替え一式あった方がいいかな。
これらをどうやって運ぶかだけど・・・。
シーツにでも包んで持ってくか。
おし。
「おっけい! んじゃ次の準備しよか。 下いこ下」
岩居さんも着替えたみたいだし行こうか。
あ、でもスライダー使うとか言ってたけどどうやって使うんだろ。
あれ確かロックかかってたはずだけど?