奥へ
「誰が何のために集めたんだかなー」
岩居さんが呟くのはもっともだ。
こんな変なところに部屋作ってどうしたいんだか。
「なんかな、こういう雰囲気の部屋を見てると学生の頃の理科準備室を思い出すわ」
「あー言われてみれば」
確かになんか雰囲気がそれっぽいわ。
何かに似てるようなって思ってたけど。
「てことはあっちの部屋は図書館にでもなるのかな」
「じゃあ、音楽室とか体育館とかないとかっこ悪いなぁ」
「あとは調理実習室?」
「いや、他にも職員室とかもねぇと」
「ぇー。 それはさすがに要らないでしょ」
学校にあと何があったかな?
「グラウンドとかそもそもの教室が無いと学校として機能しないでしょ」
「あーそっか教室か」
「高校の時は五クラスしか無かったなー」
「うちは六クラス。 岩居さんの頃よりは少し人口増えてたのかな」
「そこまで増えてなかったと思うけどな。 地域差じゃないかな?」
そんなもんかな?
「ま、いいや。 ここはそんなに今重要じゃなさそうだし、他のところも見てみないとな」
うん。
食べ物や道具とか、あとスライダー待機室のよりもいい寝床とかあるとな。
風呂とかもあるといいんだけど。
部屋を出てまた先に進むか。
さっきの本とかがいっぱいある部屋の隣は、倉庫になっていた。
紙とか何か箱がいっぱい。
パッと見ても何かよくわからない。
資料保管庫かと言われりゃそうかもと思うけど、用はないよなこの部屋。
後は鍵がかかってたりで入れない部屋も。
岩居さんが開けようとしたけど流石に今回は無理だった。
まぁ全部の部屋を絶対に開けて回らなけりゃいけないってわけでもないし。
ただここからはまたどうなってんだろうって首をかしげたな。
突き当りになるところに曲がり角があって、階段が見えた。
上に上がる、コロナの内部に進んでいく階段が。
「・・・行くか」
「行きましょうか」
なんか不安を掻き立てられる。
まぁ、奥へ行くと決めた以上進むしかないけど、何が出るのか。
・・・。
言葉少なく二人で階段を行く。
扉だ。
防火扉っぽい大きくて重そうな扉が閉まってる。
手にかけると鍵は掛かっていないようなので、開けて中に入る。
・・・ロボットに銃を向けられた。