救出!
コロナとコロナの間の移動に比べたら、まだイージーモードだと思う。
重機の予備もあれば、推進用のガス、けん引用のワイヤーなどいろいろなものが宇宙港の施設には残ってるから。
で、それらを使ってスライダー待機所までのコンテナ移動を画策中。
直接重機で持っていくことも出来なくはないけれども、デブリと遠心重力で弾き飛ばされてしまえわないかが心配だった。
だから宇宙港とスライダー待機室との間にワイヤーをあらかじめ張っておく。
これに引っ掛けてコンテナを移動させれば、遠心重力とかでどこかに飛ばされることも無いはず。
そんなこんなで一時間ばかりかかってコンテナをスライダー待機室の前まで持ってくることができた。
持ってきたけど、ここからさらに慎重に作業しないと。
すでにコンテナも横になってた状態から、縦方向に向きを変えている。
加えてワイヤーでぶらぶら揺れるし、中の人には最悪なことになってんじゃないかと。
心の中で何回謝ったかな。
コンテナの中が荷物とかでぐちゃぐちゃになってないことを、切に切に願う。
ワイヤーとコンテナを仮止めするために、スライダー待機室のそばで重機を固定する。
宇宙港にもう一度戻りスラスター出力の強めの重機を持ってきて、コンテナのケツに接続。
接続状態で待機。
待機室のシャッターを開ける。
仮止めしてた重機とワイヤーの位置とかは大丈夫だな。
うん、絡まない位置に来てる。
コンテナの後ろに戻って重機始動。
ガイドに合わせて押し込んでいく。
ゆっくりと・・・。
オッケー入った。
コンテナ固定よし。
外の重機回収。
シャッター閉鎖よし。
空気充填。
・・・。
コンプリート。
空気の状態確認。
マスクなしでの呼吸可能。
っコンテナ開けるぞ。
・・・上に向けて開ける感じになってるからフレームジャケット無いとホントもう重いったら・・・!
っはぁ。
中は・・・暗くて見にくいけど・・・。
ん・・・?
いた!
宇宙服着てる!
ワイヤーかけて中に降りて・・・バイタルは・・・UDソケット差込口は・・・。
『接続確認。 要救助者のバイタル問題なし、目を覚まします』
寝てた?気絶してた?
どっちだろ?
「おい、大丈夫かあんた」
「・・・ぅ。 んぁあ。 あぁ・・・。 なんだかわいい女が起こしてくれたんじゃないのか」
長時間コンテナの中にいた割には元気じゃねぇかこのおっさん。