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壊れてら

 もともとが隕石の表面に作られた施設だけに、工業区をはじめとした多くのブロックはそれほど広くない。


 作られた場所や、建設されたブロックの性質によってはどこかの駅ビルとかの方が広く、ぶっちゃけ生活ブロックの一番大きいものでも横浜駅より小さかったりする。


 まぁ、資材が基本足りないせいでもある。


 鉱物資源を隕石から採ればと言う人もいるけど、金属資源の含有率なんて数パーセントってレベルだ。


 だからってわけじゃないけど、古い人工衛星やスペースデブリなんかが再生利用されて、コロナの建築資材に使われてたりもする。


 ただしすべてを賄うにはとても足りないので、壁面などの多くはセメントで何とかしたり。


 そうして用意された資材は、ここの工業区で加工されて新しいユニットに回されたり、選別された希少金属は月や地球に送られる。


 なのでここの工業区はそれらの資材や加工機械がそこそこある。


 それを原料としたものも。


 で、あと必要なのは資材を運ぶ手段もここにある。


 というわけで重機を探しつつ歩いているのだけど、簡単に見つかった。


 横倒しになったプラッターが。


「くそぅ。 せっかくのリフトなのに」


『起こせないの?』


「いやこれ立って乗る小型のやつとはいえ、一トンはあんだぞ。 一人でも起こせないっての」


 いやホント。


 バラそうにも大型のインパクトドライバーが要るし、一つ一つのパーツが重いから一人で組上げられるかどうか。


 特に爪とカウンターウェイトとバッテリーが。


「んー」


『まぁ、起こせないなら置いておこうか。 今すぐ使うわけじゃ無いし』


「ま、確かに。 じゃ行くか」


 プラッターは後回しにして中央に。


 そこまで広くはないから、ちょっと歩けばもうすぐそこだ。


「で、どのへん?」


『そこの大槻セメントの角のところ。 でそこから中央の時計を見れる角度のカメラを探して』


 言われた位置を探るけど、どのへんだ?


 カメラカメラ・・・。


 監視するから上の方か?


 あ。


「あった」


『あった? どうなってる?』


「壊れてるぞアレたぶん」


『あー・・・』


 作業用宇宙服のカメラを通して確認したんだろうな。


 がっかりしたような声が聞こえる。


 無理ないか。


 大槻セメントの一角の、カメラあるはずの位置にカメラはあった。


 正しくはその残骸がぶら下がってる。


「コロナが割れた時の衝撃かでパレットかコンテナが当たったんだろうな。 あそこにセメントの袋いっぱい転がってるからパレットの方か」


『・・・あー。 交換でもしないと無理か・・・』


 ・・・誰が交換するんだ?


 俺か?


 そこまでは約束してねぇぞ。

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