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事故後のアレコレ

 事故が起きてからおよそ、何時間経っただろうか。


 はっきり言って状況は良くなるどころか悪化している。


 まず、どこにも通信が繋がらない。


 宇宙服か中継のアンテナか何かが、さっきの衝撃で逝ったのかもしれない。


 氷付けにならないように、必死になって逃げ回ってたから気がつかなかったし、休憩室に逃げ込んだあとは身の安全を確保するために酸素や食料をかき集めて、とにかく宇宙ステーションの軌道が安定するのをじっと待ってたから、アナウンスがあっても聞き逃してたかもしれないし、こっちから発信するなんて発想も余裕も無かったから。


 しかもそうしてある程度の身の安全が確保できて、食料とかの確保が大丈夫だと解ったとたんに気が抜けてしまったのか、四、五時間ほど意識を失ってたっぽい。


 目が覚めて、目の前が曇ってたせいで変な声をあげてしまったけど、ヘルメットが息で曇ってただけだった。


 無駄に焦ったけど、誰もいなかったから、醜態は晒してないはずだ。


 休憩室内に電気は通っているから明るいものの、人の気配が無いせいで寒々しい。


 いや実際に寒い。


 宇宙服は着たままだったのだけど、ヒーターの充電が切れてたっぽい。


 休憩室の暖房を触った覚えも無かったから、やっぱ部屋ごと温度が下がってたんだろう。


 そんなことを考えてたら、トイレに行きたくなった。


 宇宙服を着る際にはオムツ着用だが、やはり室内ではちゃんとトイレでしておきたい。


 胸元と左腰にあるロックを解除して、まずは上から脱ぐ。


 脱ぐ。


 ぬぐー。


 固いんだよこのハードタイプって奴は!


 鎧みたいにガッチガチなんだけど、坑道作業とかデブり回収にはこういうのでないと安全管理がどうとか言われるからな。


 下も脱ぐ。


 勢い余って、オムツごと脱げたのは置いとけ。


 そのままトイレに直行できるんだから、時間の節約にもなる。


 弱い重力がかかっている中を、泳ぐようにしてトイレに。


 ふー。


 スッキリしたところで、紫外線消毒。


 さて服を着よう。


 人目が無いとはいえ、モラルは大事だ。


 で、することをして気がついたが、人の気配が無いのはともかくどこからも音がしないのはなんでだ?


 内線。


 受話器外れてました。


 一辺元に戻して、繋がるか確認。


 誰も出ません。


 リストのある、どの番号も応答無し。


 受話器を置いてうちひしがれましたよ。


 事故が起きてんのに、どこにも連絡とれないってヤバイんじゃね?


 いったい今、どうなってんのさ?

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