攻略開始!
軽率だった。
いや、他に方法があったかもしれないけれど、熟慮しないまま勢いで行動してしまった気がしないでもない。
デブリが多いんだ。
いや多いってもんじゃない。
デブリだらけ。
どこぞのシューティングゲームの弾幕かってくらいに、大小様々なデブリがランダムにピンボールゲームのように、縦横無尽にフィールド中に展開されているようなそんな状況の中に飛び込んでいってるんだからさもありなん。
・・・って。
またぶつかった。
今度のはこぶし大の石だ。
作業用宇宙服に問題はない。
っと、あれは避けなきゃだめだ。
ヘルメットくらいの大きさで、しかも相対速度が速い。
にしても、ノイズが多い。
デブリから何か電波でも出てるのか?
レーザー測量機で距離を再確認。
距離5128.33・・・5124.60・・・
近づいてはいるものの、まだ距離がある。
やっぱり出だしのカタパルトで、十分な速度が出せていなかったか?
ま、あとデブリに邪魔されてるのも。
また飛んできた。
重機を操作して進路を少しだけ変える。
速度を上げて、とっとと向こう半分のコロナにたどり着きたいけど、あんまりはやい速度で飛ぶと、途中のデブリにぶつかってしまう。
加えて到着した時の着地にも、十分な減速ができていないとぶつかって肉せんべいになってしまうし。
距離はあと四キロほど。
車やバイクだったりすれば何てことのない距離が、とても長く感じる。
すでに二十分くらいは経ってるはずだけど、半分は来てるよな?
時速と到達時間の計算は小学生で習うけど、遠ざかっている物体を追いかけるようにしているわけだから、計算がめんどくさい。
あと相対距離というか、相対速度のゼロ基点をどこに持ってくるかで計算がおかしくなるからなぁ。
そんなことを考えながらも進路上のデブリをかわす。
また距離とか速度が変わった。
・・・。
もういいや。
後三十分くらいはかかると考えて、もう弾幕回避のゲームのつもりで楽しみながら飛んでいこう。
重機のガスも、着地用に予備ボトル一本分だけでも残しておけば、何とかなるだろう。
目標地点はあそこの電気がついているところ。
どのブロックになってたかの判別も出来てないけど、あそこを目指すことにする。
レーザー測量機の表示を、ヘルメット内の左端に表示されるようにセット。
重機の残量はその下に棒グラフで。
残り三キロ半を残量八割以内で到達すればクリア。
オッケー。
攻略開始と行こうか!