表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/167

あれ?

 ?


 ??


 首をかしげる。


 その動作のせいで、体がゆるく回転してしまったので、ゆっくり戻す。


 作業用宇宙服に備え付けのポーチから、レーザー測量器を取り出して距離を測る。


 えっと、ここから見えている範囲の中で目印になりそうなポイントを決めて照射。


 3621.62・・・

 3856.91・・・

 4015.99・・・


 数字がだんだん大きくなっているのは、向こうとの距離が開いていっているからだな。


 さて、ここで問題です。


 コロナの半分が遠ざかっているはずなのに、なぜさっき、とてつもない衝撃が来たのでしょうか?


 そもそもだ。


 コロナは内部の氷が爆発して、半分になってしまったはずだ。


 中からの爆発で分離した物体が、どうしてもう一度ぶつかる?


 何かある。


 さっき見た時にも電気が生きている気配があった。


 二つに分かれて、そのまま分離するであろうはずだった二つのコロナがぶつかった。


 こっちにはない何かが、向こうのコロナにはある。


 レーザー測量器で表示される数字は、六キロメートルになろうとしている。






 ・・・。


 推進剤はある。


 バッテリーはまだ六時間は持つはず。


 水や食料は、休息室に行けば多少はあるけれど、救助が来るかわからない状況じゃ、いつまでもいられるわけじゃない。


 電源も十分になく、光源も電気コードもない。


 こっちのコロナの全部を見れた訳じゃないけれども、少なくとも向こうには電気がある。


 なら。






 ワイヤーを手繰って、扉のところにかけておいたフックを外す。


 エアロックのところに置いておいた重機を背負い、箱をセット。


 他は・・・。


 念のために飲料水を。


 ここに戻ってくることはもう無いかもしれないけれど、エアロックはしっかり閉じておく。


 まだ痛む右足をかばいつつ、コロナが分裂した際に出来た絶壁の淵まで移動する。


 再度距離を測定。


 すでに八キロを超える距離になっている。


 見た目がでかいから、そこまで遠いようには見えないけど、結構な速さで遠ざかっているのは確かだ。


 とにかくアレに追いつく手段の用意。


 少し離れたところにあった、有線ケーブルの固定アンカーの枠に、脱落防止用じゃないただのフックをかけて、炭素ケーブルでつないで伸ばす。


 十メートル、いや三十メートルくらい離れようか?


 重機のウインチとトーチナイフを用意。


 ウインチの巻き上げを利用して、それなりに加速してから向こうに射出させる簡易カタパルトだ。


 深呼吸二回。


 さぁ、行ってみようか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ