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レスキューに助けてもらった!

 見知らぬ天井ってフレーズがあるけれど、宇宙船やらコンテナなんかのユニット化された建材の内部構造は大体が似たり寄ったりの造りになっている。


 なので今いる部屋の天井も、見たことあると言えば見たことあるような天井だし、全く違うと言えばそうとも言える。


 何かこのまま天井を見続けてたら哲学じみたことを考えそうだけど、他にやることがないから仕方がない。


 要するに暇でしょうがない。


 コロナからコンテナに入れられて放り出された俺たちは、宇宙レスキューに救助された。


 コロナの位置と移動速度に合わせてレスキュー用の宇宙船を近づけ、デブリを回避しつつコンテナを回収するのは大変なはずだけど、そのあたりのことをレスキューの人が自分からしゃべるわけは無いので、こっちで勝手に大変な思いをしつつ救ってくれたんだと感謝しておく。


 で、感謝の言葉を述べたいのだけど、肝心のレスキューの人がいない。


 医務室で一通りの検診を受けた後、ちょっと小さめの部屋に五人で押し込められたままでいる。


 ゲロはいたおっさんだけ念入りに診察を受けているけど。


 逆流性食道炎だか誤嚥性肺炎だか言ってる声が聞こえたけど、要はゲロのせいで喉とかやられてるみたいだから、その治療をしておくらしい。


 おっさんに幸あれ。


 とは言えおっさん以外の五人は放っておかれたままだ。


 それぞれ少し落ち着いて、出された白湯など飲んでいる。


 はー。


 にしても落ち着く。


 やっぱり重力が多少なりともあると座れるし落ち着くわ。


 胴体部の円筒形のところをぐるぐる回して、そこが丸ごと部屋になってるから出来ることだ。


 何でレスキューの船にこんな遠心重力を発生させる構造と部屋があるのかと思ったら、医薬品の管理とか手術が必要な患者の対応に人工重力が必要なためらしい。


 他にも普段この区画はランニングにも使うらしいけど、そんな人工重力のきいた部屋の一つに押し込められたまま、放っておかれてるのはなんでなんだか。


 ・・・。


 暇だ。


 何かゲームでも・・・って端末を含めて荷物は取り上げられてたんだった。


 ウイルスとか宇宙放射線の残量チェックとか言ってたか。


 つまりは身分証もお金も何もなし。


 この状態でレスキュー船がでかいデブリに当たったりしら生き残れないな。


 MOMOに座標確認とかしてもらえないし、今みたいに暇つぶしも出来ない。


 他の五人も荷物を回収されてトレーナーみたいな服に着替えさせられてるし。


 ・・・これって刑務所みたいだな。


 もしかして監禁?


 いやまなんだってこんなことされるんだか心当たりが・・・ある。


 ハッチポッチの宇宙慈愛の協会のせいか。


 仲間だと思われてこれから取り調べされるのか?


 えー。


 そう考えたらなんだか落ち着かなくなってきた。

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