あらすじ(なろうコン用)
以前、なろうコンに参加した時用のあらすじです。小説の初頭部分が書かれていますのでネタばれが嫌な方は読まないでください。
時は西暦2262年。
地球は60年前に起きた化学兵器の開発事故により、人を死に至らしめる鉛色の毒の雨が降り注いでいた。生き残った人々は唯一毒に犯されていない僅かな土地『清地』に集まりそこで三つの社会を作り上げていた。
一つは人間の欲望と享楽が渦巻く地下都市『楽園』。一つは外界を遮断し、事故以前の世界が生きるドーム『聖地』。そして、全てを失った廃墟の街『無地』。
この『無地』で暮らす万屋のディザナン・グルックは雨の降る中、ビルの隙間で倒れていた傷だらけの少女コーデリア・アルベニスを拾う。
目を覚ましたコーデリアは名前以外の全ての記憶を失っていた。その後、ディザの家で過ごしていたコーデリアであったが、傷が直り次第出て行けというディザに自分に万屋の仕事を手伝わせて欲しいと願い出る。初めは拒絶を示したディザであったが、結局、一人で生きていけるまでという条件で助手として家に置く事を了承するのであった。
『無地』で生活を始めたコーデリアはディザの幼なじみである変態天才機械オタク、美人女医や不良牧師などの個性的な人々と出逢い、不安や戸惑いを抱えつつも暮らしに慣れていく。そんなある日、ディザの元に、一つの依頼が舞い込んだ。それは、ひと月ほど前から始まった少女達の誘拐事件の犯人を捕まえて欲しいというもの。
コーデリアはディザとともに、誘拐事件が発生した『楽園』へと向かうのであった。