魔法実技!
「よし、学校に帰るぞ」
イフリート先生がそう言った。そして鍵を差し込んだ。
『魔法実技室』
そうして私は学校に戻った。
――魔法実技室――
「おかえりー、リリア。いい杖貰えた?」
そう言ってアイリは私を迎えてくれた。
「うん、おかげさまで。ねぇ、今何してるの?」
「今はね休み時間なの。授業と授業の間に10分間休憩時間があってその間に次の場所に移動したりするんだよ。まぁ、次も魔法実技だから移動しなくていいけど」
やっぱり休憩時間はどこに行っても一緒なんだと思った。
「ねぇ、それより杖を見せてよ」
「えっ?いいよ」
私はさっき貰ったばかりの杖をアイリに見せた。
「こんな杖だよ。なんか中にトロピカバードっていう不死鳥の羽が入っているんだって」私は銀色に輝く杖を見せた。
「すごーい!綺麗な杖!」
アイリに次杖を見せていると、二人の男の子が来た。
「あっ、君は確か電車の中で出会ったリリア・フィリングだね。杖を貰ったんだ見てもいい?」
そう話しかけてきたのはフレン・イレットだった。そしてもう一人はルーク・ユーリア。「お、いいな〜。俺にも見せてよ」
ルークも一緒になって見せてほしいと言ってきた。この二人は知り合いだから見せてあげた。
「うわ〜、綺麗な銀色。僕の杖なんか茶色の普通の木の棒みたいなやつなのに…いいな」フレンはそう言って私に杖を見せてくれた。「俺だって、焦げ茶って感じの杖だぜ?リリアの杖はなんか人柄が現れてるよな」
同じくルークも杖を見せてくれた。
「そんな、人柄が現れてるなんて、大袈裟だよ…」
こんな会話をしていると
『キーンコーンカーンコーン』
と授業開始のチャイムが鳴った。
――魔法実技――
「今日は新学期初めてということで、一応私の紹介をしておきますね。私はジュディア・ランティアよ。去年もこの授業を受けた人は知っていると思いますが今年も魔法実技の担当をします。よろしくお願いしますね」
パチパチと拍手が鳴った。なんだか楽しそうな授業だな…
「それでは、授業を開始します。この授業は主に実技が多いですから杖を忘れないようにしてくださいね。去年は新学期ということでちょっと楽しい呪文を教えます」
『お〜!』
という歓声が上がった。
「どんなことをするんだほうね」
私はアイリ、フレン、ルークと一緒に座って授業を受けていた。基本席は自由なのだそうだ。
「でわ、皆さん。私が見本を見せますから見ていてくださいね」
そう言ってジュディア先生はなにか花の種みたいなのを出してきて机の上に置き、杖を構えた。
「『フラワーグロウ』」
そうするとたちまち種から花が育ち、綺麗なピンク色の花が咲いた。
「花を育てる魔法です。どうですか?簡単でしょ?花の色はあなた達の想像によって変化しますから、色んな花を咲かせてください」ジュディア先生はいとも簡単にやってみせたけどなんだか難しそう…
「でわ、皆さんやってみましょう」
そう言って先生は種を配った。
「でわ、始め!」
そうすると彼方此方から呪文を唱える声が響きだした。
「私達もやろうか」
アイリがさっそく『フラワーグロウ』と唱えた。
『ポンッ』
と音がした。見てみるとそこには綺麗な薄緑色の花が咲いていた。
「お〜、アイリの花綺麗だね。私もやってみよ」
私もさっそく呪文を唱えた。
『フラワーグロウ!』
そうすると、水色の花が咲いた。
「リリアの花も綺麗だね」
「僕もやってみよ」
「俺だって!」
フレン、ルークは一緒に呪文を唱えた。
『フラワーグロウ』
『ポンッ』と音がしたかと思うと二人も綺麗な花を咲かしていた。
「僕は緑色の花だ」
「俺のは…なんだ?紫と緑の二色が入った花だ」
『キーンコーンカーンコーン』
「皆さん、その花は持ち帰ってくださいね。以上終わります」
そうして私の初めての授業が終わった。




