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杖選択!

『ピピピピ…』

朝7時丁度、目覚ましが鳴り響いた。

「う〜ん…目覚ましは?」

私は寝ぼけながら目覚ましを探し、アラームを止めるボタンを探した。

「これ、どうやって止めるんだろう?アイリ、どうしするの?」

横のベッドで寝ているアイリを起こして止め方を聞いた。

「ん?あぁ、今止めるよ。『アラームストップ』」

そう言うとアイリは杖を振ってアラームを止めた。

「ありがと、止め方が分からなくて…」

アイリを見ているとやっぱりここは魔法の世界で夢ではないのだ。

「よし、着替えるか!」

アイリは立ち上がって言った。

「そうだね」

私は制服に着替えた。


――30分後――

「よし、スモーキンテラスに行こう!」

「準備早いよアイリ、待ってよ!」

アイリはいつの間にか準備が終わっていた。「でも、もうそろそろ行かないとまた走る事になるよ?」

「それは嫌だ。待って、今終わるから」

そうして私は猛スピードで準備を終わらせた。

「よし、行こう!」

ようやく準備を終わらせてスモーキンテラスに向かった。


――スモーキンテラス内――

「今日は余裕があったから意外と座るところ簡単に見つけられたね」

私は座るところが簡単に見つかって少しホッとした。

「よし、食べようか」

アイリは座るとさっそくナイフとフォークを持って食べ始めた。

「じゃ、いただきまーす」

私も食べ始めた。朝食なだけあって夜に比べたらまだ少ない方だったがそれでも量は多い気がした。

「うっぷ。もう食べれない」

私はお腹がいっぱいになった。朝からこんなにお腹いっぱいなのはいつぶりだろう…

「次は魔法実技の授業だよ。朝から動かないといけないけど頑張って」

「朝から動くんだ…何か魔法実技ってハードそう…」

「まぁ、確かにけっこうハードかもね…」

そういう会話をしながら一旦部屋に教科書などを取りに戻った。


――寮内――

「えーと、教科書はっと」

「アイリ、魔法実技の教科書ってどんなやつなの?あと他に持ち物とかいる?」

「教科書は一応この薄っぺらいやつだよ。でもあまり使わないから。それで道具は杖だけでいいよ。あ!でもリリアは初めての授業だから教科書だけでいいと思うよ。皆初めは杖選びから始まるの。そして自分に合った杖を見つけだして、自分の物にするんだよ。そんなに難しいことじゃないから大丈夫だよ」

「とうとう杖がもらえるんだ…楽しみだな!どこで選ぶの?」

「えーと『マジックタウン』ていう何でも売ってる魔法の街があるの。そこにある杖専門店に行って選ぶんだよ。そうなると今日の授業は一緒に受けれないかも…」

「へー、そんな街があるんだ。何だか楽しみ!でも一緒に授業は受けれないとなるとちょっと寂しいな…でも自分の杖を手に入れるなんて楽しみ!」

私は頭の中で色んなことを考えを膨らませた。本当に魔法使いになるんだ!

「じゃ、取り合えず実技室に行こ!」

そう言ってアイリは鍵を取り出した。

「それ、どうするの?」

「これはね行きたい所にすぐ行けるという優れものなの。見ててね!」

そう言ってアイリはこの部屋の鍵穴に鍵を差し込んだ。そして…

「実技室!」

と唱える?と鍵を抜き、扉を開いた。


――実技室――

そうするとたちまち向こう側は見たことのない部屋で多分ここが実技室なのだろう。

「すご〜い!!一気に行きたいところに行けるなんて」

「この鍵は扉のどの鍵穴にもはまるから何処からでも行きたいところを唱えると行ける優れものなんだよ!」

「お〜!格好いい!」

そう話していると突然優しそうな先生に呼ばれた。

「リリア・フィリング、こちらに来てください」

「あっ!リリア、ジュディア先生が呼んでるよ」

「えっ?分かったちょっと行ってくるね」

私はジュディア先生と呼ばれる見た目は優しそうで、物腰柔らかそうな女性だった。

「なんですか?先生」

「あなたがリリア・フィリング?私はジュディア・ランティアよ。魔法実技の担当をしています。今日はあなたは初めてということだから杖選びから始めたいのです。でも私は授業があってこの場を離れられないからあなたの担任のイフリート先生に頼んであるわ」

そう言って横を指した。そこには相変わらず鋭い目つきのイフリート先生が立っていた。「はい、分かりました」

内心ちょっと嫌だなと思ってしまった。

「じゃ、行くとするか。いいか?」

「はい、いつでも!」

私は後ろを振り返ってアイリに手を振った。「いってらっしゃい!」

アイリも手を振り返して言った。イフリート先生は例の何処にでも行ける鍵を鍵穴に差し込んで『マジックタウン』と唱えた。


――マジックタウン――

扉を潜るとそこはあたり一面お店が並んでいる街だった。

「うわ〜!凄いお店の数。楽しそう!」

「リリア、取り合えず杖専門店に行くぞ」

私は横にイフリート先生がいるのを忘れていたのでちょっとびっくりしてしまった。ビックリして思わず

「は、はい!」

とちょっと詰まった。

「少し遠いが頑張って付いて来い!」

そう言って先生はズンズン歩いていく。私は追いつくのが精一杯だ。



――杖専門店『スティックスペシャル』――「よし、着いたぞ。この店だ」

そこはとても綺麗な店で何だか高級品がいっぱいありそうな店だった。

『カランカラン』

先生が扉を開けて中に入った。

「やぁ、どんな用だい?」

中にいたのはお年寄りのお婆さんだった。見た目はもう100歳を越えてそうなしわが沢山ある人だった。

「今日はこの子の杖を選んでほしい」

「はいよ、どれどれどんな子だい?」

私は一歩前に出て挨拶をした。

「こんにちは、リリア・フィリングです。よろしくお願いします」

簡潔に挨拶を済ませた。

「リリア・フィリング…なる程いい名だねぇ。ちょっくら手を見せてくれるかい?」

「はい」

私は言われるがままに手を差し出した。

「ふむふむ、いい手だねぇ。どれ、こんな杖なんてどうだい?」

そう言ってお婆さんは綺麗な銀色をした杖を取り出した。

「この杖は不死鳥といわれる『トロピカバード』の羽が入った杖だよ」

私はよく分からなかったけど

「凄いですね」

とだけ言った。

「取り合えず持ってみなされ」

そう言われて私は杖を持ってみた。

「……?」

なにも起こらなかった。

「よし、なにも起こらないね。杖との相性がいいみたいだねぇ。相性が悪いと杖と拒絶反応が起きるからね」

「へぇ〜。ところで、お値段は…?」

こんなに凄そうな杖なんてとても高そうだ。勿論お金なんて持っていない。

「ちょっと待っておくれよ」

そう言ってお婆さんは電卓みたいな計算機で計算を始めた。

(なんだろ…この計算機…変わってるな)

「出たよ。ざっと10万ペンスだよ」

ペンスとはこの世界の単位だろうか…

「…えっ!?10万!!」

高過ぎでしょ!!

「でも初めて杖を持つ子は特別に無料であげてるよ。だから持ってお行き」

「えっ!?いいんですか?ありがとうごさいます!大事に使いますね」

私は杖を握ってなんとなくポーズをとってみた。

「格好いい!やっぱり魔法使いって感じ!」「杖は毎日の手入れが肝心だからね。これをあげるよ」

そう言ってお婆さんはお手入れセットを出してきた。

「そうだ、杖を入れるいいケースもあげるよ。中に入れて保存しておくといいよ」

お婆さんはそう言って手入れセットと杖を入れるケースをもらった。さっさく杖をしまった。

「ありがとうございます」

そう言って私は先生と店を出た。


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